今回は英語構文において、自分の経験から得られた効果的な勉強法をシェアしたいと思います。
ボクは高校時代はまったく英語のできない落ちこぼれで、英語担当の先生からも見捨てられているような生徒でした。
ところが、予備校で過ごした1年間で英語の成績が急上昇し、第1志望の早稲田大学に合格することができました。
その原因を突き詰めてみると2つに絞られます。
1つはボキャブラリー(単語力)。そしてもう1つが構文をカラダで覚えたことです。
英語の学び直しに取り組んだ時に、比較的短期間でTOEICの高スコアを取ることができたのも、この2つのポイントを押さえていたことが大きいように思います。
ボキャブラリーの重要性は英語学習者であれば誰もが理解していますが、構文の重要性については十分に認知されているとは言えません。
今、この記事を読んでくれているあなたも、構文の仕組みや効果について、ボンヤリとしかイメージできていないかもしれませんね。
ボクはこれまでの英語学習を通じて、「構文を理解している or していない」が英語の初級者と上級者を分ける要素だと考えています。
そして、詳細は後で述べますが、構文を身につけるために必要なのは理論よりも実践だと思います。
そこで、今回は主に初学者の方向けに英語構文の基本や学習法、さらにおすすめの参考書についてコンパクトにまとめてみました。
受験生はもちろん、専門学校生・大学生・社会人の方で英語の学び直しや資格試験に挑戦する方にも同じように役立つはずです。
「そもそも構文って何?」という方や、どの勉強法から手をつけてよいかわからないという方にとって有益な記事となっていると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事では、以下のような情報を知ることができます。
- 英語の構文って何?構文の基本
- 構文を知れば、どんないいことがあるの?構文のメリット
- 構文を身につけるためには何をすればいい?最適な学習法と勉強の流れ
- 構文をわかりやすく解説!おすすめの参考書
この記事を書いた人
ヒラク
TOMOSU BLOG 運営者・執筆者
早稲田大学政治経済学部政治学科卒 / TOEICスコア 現在920点
英語構文の基本:初心者向けガイド
英語の構文って何?
「構文」と一言で言ってもさまざまなとらえ方があるでしょうが、ボク個人の見解をお話します。以下では、構文=5文型という形で話を進めていきます。
ボクの思う構文とは、「パソコンやスマホにおける OS 」です。
この記事を読んでいる方の中には、学生さんも多くいらっしゃると思うので、スマホの方で説明していきましょうか。
スマホは、スマホ単体では使える状態にはありません。
OS =オペレーティングシステムと呼ばれるソフトウェアをインストールすることではじめて、ボクたち人間が使えるようになるのです。
スマホのタッチパネルで入力した情報をアプリに伝えてくれたり、CPUやメモリの動作を制御したりしてくれるのが、ほかならぬ OS なのです。
Apple製の iPhone には iOS という OS が組み込まれていますし、その他のスマホには Android という OS が内蔵されています。
構文はこの OS に似ています。
目や耳を通じて入力された情報(=英文)が脳に伝えられたときに、脳の動作を制御して、意味を理解するのに役立つのが構文なのです。
ボクたち日本人には、英語対応の OS がありません。
スマホを正しく作動させるのに OS が欠かせないように、英語理解を正しく行うためには構文が必要不可欠です。
構文の中でも特に5文型が大切な理由もここにあります。
すべての英文はは5文型というパターンに分かれます。5文型とは別で学習する細かい構文(特殊構文)なども、すべて5文型という土台の上にあるのです。
先ほどの例で言えば、5文型=「 OS 」、特殊構文=「アプリ」、ということになります。
「アプリ」はSNS、ショッピング、ゲームなど、その時々によって使い分けるものですよね。
つまり、「アプリ」(=特殊構文など)は使ったり使わなかったりだけど、「OS」(=5文型)はどんな状況であってもスマホを開いたら絶対に必要なモノ。
「アプリ」(=特殊構文など)がうまく機能するのも、「OS」(=5文型)という土台のおかげです。
ですので、英語理解において5文型という OS を脳内にインストールすることは極めて重要ですし、学習における優先順位も高いと言えます。
ふむふむ。英語理解には「5文型」というソフトウェアが必要なのか。
そうなんです。「5文型」という OS をインストールしてみると、その性能の高さに驚くはず!
英語の構文は英文法と何が違うの?
英語学習の初期においてありがちなのは、構文と英文法の違いがわからないということでしょう。
こちらもシンプルに言うならば、「構文は英文法の一部」ということになります。
たくさんある英文法=英文の法則のなかで、単語の組み合わせや順番のルールに焦点を当てたものが「構文」なのです。
そして、個人的には「英文法のなかで最も重要なのが構文である」と考えています。
日本語や日本文化では「なんとなく」「雰囲気で」といったことがよくありますよね。
僕たち日本人は、言葉の論理よりもむしろ人間性や空気感といったものを重視しますし、時として言葉そのものよりも沈黙を好むケースもあります。
それとは逆に、英語は歴史的な背景もあって、とにかくルールを重視します。
英語圏は他民族を侵略したり、されたりというピリピリした世界だったので、言葉ひとつで命を失う可能性だってありました。
「なんとなく」が通じない世界だったのです。
また、近世以降、英語はイギリスの植民地政策にともなって世界中に広まりました。
そのため、民族や文化の違いによる誤解が生じないように、言葉のルールはさらに厳格になったわけです。
そうした厳しいルールの中でも、やはり言葉の組み合わせや順番が最も重要になってくるということは容易に想像できます。
組み合わせや順番がゴチャゴチャだったら、こちらの考えを相手に正しく受け取ってもらえないですからね。
上にあげたように、日本人が英語を理解する上で重要であると同時に、英語の成り立ちという視点で見ても、大切な要素であることがわかります。
英語のルールの背景にそんな歴史が隠されていたなんて、知らなかった。
実はボクも、ついこの前まで知らなかった…。
英語の構文を身につけるには何から始めればいい?
では、構文を身につけるには何から手をつければいいでしょうか。
再三お話しているとおり、ボクは「5文型を見極めることがほぼすべて」だと考えています。
日本の学校教育ではやたらと特殊構文ばかりをやらされますが、英語の基礎力をつける意味では、特殊構文なんて後回しでいい。土台を固めずに、いきなり細かいところに立ち入る必要はないわけです。
さらに言えば、土台を深く理解していれば、細かい部分は暗記しようとしなくても大丈夫です。
土台をもとに考えれば、すぐに理解できることばかりだと思います。
では、5つの文型を見分けられるようになるためにはどうすればよいのでしょうか。
詳しい学習法は後で述べますが、基本的には授業や参考書・問題演習で出会った英文をひとつずつ丁寧に「構文分け」していくことです。
「構文分け」とはつまり、目の前にある英文が、5文型の5つのパターンの内どれに当てはまるのかを仕分けしていく作業のことです。(構文分けのやり方についても後ほど詳しく)
英語の構文の勉強法についてネットで調べると、「構文の覚え方はコレ!」といったテーマで、構文を「覚えるもの」としているサイトもありますが、最初の段階では、構文は覚えるものではありません。
5つしかパターンがないから、当然ですよね。覚えるまでもありません。
5つのパターンにプラスアルファで覚えると役立つルールはやがて出てきますが、初めの段階では、頭で理解しようとするのではなく、実践してみること(=構文分けしていくこと)を意識しましょう。
ヒラクさんはどれくらいのペースで構文分けしてましたか?
ボクは慣れるまでは授業や問題演習で扱った長文すべてを、慣れてからは1週間に1つのペースで構文分けしてました。
英語構文のメリット:初級者と中上級者を分ける要素
構文の基本については、おおよそ理解してもらえたかと思います。
以下では、そのような構文の基本を身につけることで得られるメリット・効果について紹介します。
英語構文のメリット①:英語脳になる(読解力・リスニング力アップ)
最も大きな効果としては、「英語脳になる」ということがあげられます。
「英語脳になる」ということを具体的に言うと、「英語を英語のまま理解することができる」「返り読みする必要がなくなる」ということです。
上の図で言うと、右側の英語をダイレクトに理解できる方が「英語脳」ということになります。
英語の構造を理解していることで、頭の中でイチイチ日本語訳したり、前に戻って意味を取ったりする必要がなくなるわけです。
構文と似ているもので、英文を細かくスラッシュで区切っていく「スラッシュリーディング」というものがありますが、構文との決定的な違いがここにあります。
「スラッシュリーディング」は英文の構造よりもむしろ、英文の意味に重点を置いています。
意味ごとに区切って読む読み方なので、初心者の方の場合、日本語で意味を取ろうとしてしまい、英語脳への転換が難しいのです。
構文の理解を通じて、英語脳になることにより、読解力やリスニング力のアップなど英語能力を総合的に伸ばしていくことが期待できます。
意味で区切るか、構造で区切るかの違いがあるんですね!
そうなんです。個人的には構造で区切る方が英語力向上につながると考えています。
英語構文のメリット②:品詞問題・空所補充問題に強くなる
メリットとして2つ目にあげられるのは、「品詞問題・空所補充問題に強くなる」という点です。
こういった問題は、受験生であれば学校のテストや大学入試で必ず出題されますし、TOEICのPART5でも頻出の問題です。
こうした問題への対策として、構文の重要性を知らない英語学習者はやみくもに問題を解くといったことをやってしまいがちですが、要は構文をキッチリ勉強しておけばいいだけのハナシです。
空所補充問題であれば、「ここに入る英語のパーツわかる?」ということを聞かれているので、構文の理解によって1発で解決します。
大学受験もTOEICも経験してきましたが、こうした問題は構文を知っている人間からすれば、いわばサービス問題です。
単語を覚えたり、文法の細かい事項を理解したりすることに比べて、構文の理解・習得にはそれほど時間はかからないので、試験の点数に結びつきやすいと言えるでしょう。
構文の理解が試験の点数も底上げしてくれるんですね。
構造を見抜くだけなので、問題の難易度に左右されないのも強みです!
英語構文のメリット③:音読・シャドーイングなどの学習効率アップ
3つ目のメリットとしてあげられるのは、「音読・シャドーイングなどの学習効率アップ」という点です。
先ほど、「スラッシュリーディングは英語脳への転換が難しい」と話したこととも重なりますが、構文を軸にして英文を読んだり、聴いたりすることで、より効率的な学習ができます。
例えば、あなたが音読学習をするときに、丁寧に構文分けした英文を声に出して読むと、あなたの脳は目の前にある英語を英語の構造のまま読もうとします。
【 構文をもとにした学習 】と【 なんとなく読む学習 】ではいずれ大きな差となって現れます。
勉強に限らず、スポーツなどでも同じですよね。
【 科学的根拠に基づいた効率的な練習 】と【 ただやみくもに取り組む非科学的な練習 】では、プロセスとしてどちらが有効か、言うまでもありません。
科学的な根拠を学ぶというひと手間をかけることで、より効率的なトレーニングができるように、構文を学習するというひと手間によって、より効率的な英語学習ができます。
高校時代にボクの英語成績が伸びなかったのは、このひと手間の重要性に気づいていなかったことにあると思います。
ひと手間を省いてしまったがために、毎日漫然と長文を読むだけで読解力は上がらず、英語が嫌いになり、さらに成績が下がるという悪循環に陥ってしまっていました。
構文を理解することで、毎日の英語学習自体の効率がアップするということを覚えておいてください。
学習プロセスが効果的になることで、より効率的に英語力アップが期待できるってことですね。
そういうことです。結果に結びつくことで、日々の学習も楽しくなりますよ!
英語の構文を身につけるための勉強の流れ
英語構文の勉強法の流れ
構文を身につけるための勉強法については、ボク自身は以下の流れで取り組みました。
上で紹介した「構文理解の手順」に沿った学習法になります。
4つの手順に合わせて4段階の学習法をとることになりますが、やり方や意識すべきことさえ間違わなければ、意外とサクッと身につけられるので安心してください。
ボクは予備校時代、4月に①から始めて、1学期が終わるころには4つのプロセスをほぼ完璧に身につけられていたと思います。
手順 | 学習法 |
①5文型の理解 | S.V.O.C.Mの基本を学ぶ。②のための準備段階。 |
②5文型の仕分け | ①をもとに、実際に英文の構文分けができるようになる段階。 |
③5文型に付随するルールを知る | ①、②をもとに、さらに踏み込んだルールを学ぶ段階。 |
④その他の細かい構文の理解 | 【 It構文 】【 分詞構文 】などの特殊構文を理解する段階。 |
そして、このプロセスを時間軸の流れでザックリと図にすると以下のようになります。
個人的な経験から言うと、上記の4つの中で最も大切なのは②です。
つまり、構文はアタマで理解するものではなく、実際に構文分けを実践しながら感覚に落とし込んでいくものなのです。
受験生時代に周りを見ていて思ったのは、【英語が苦手な生徒=①②③④すべてがあやふや】、【英語が伸び悩む生徒=②をやっていない or 実践量が少ない】ということです。
②を通じて、構文を感覚に落とし込まなければ、英語力は伸びません。
流れとしては、①で最低限の知識を身につけたら、すぐに②に移り「構文分け」を実践していく、そして実践と並行して③の付随するルールを身につけて、②の実践に生かしていく、というイメージです。
ほかのジャンルに置き換えてみましょう。例えば、将棋の指し方を覚えるプロセスに当てはめてみます。
まず最低限の知識として、①駒の動かし方(=①5文型の理解)を覚える必要があります。
そして、最低限の知識を覚えたら、②実際に試合(対局)をしてみること(=②5文型の仕分け・実践)が必要です。
この段階では最低限の知識しかないので、試合(対局)に負けてしまうこと(=構文分けがうまくいかないこと)もあるでしょうが、それでいいんです。
③高等戦術や④細かいテクニック(=③付随するルール・④細かい構文)は実際に試合をしながらつかんでいくことが効果的です。
いつまでもガイドブックばかり眺めていて試合をしなければ、将棋は強くなりませんからね。
ギターの弾き方だってそう。最低限のコードを覚えたら、実際にギターを弾いてみることが大切ですよね。
こういったことは考えてみれば当たり前なのですが、この“当たり前”ができている英語学習者は決して多くないように思います。
また、学生の場合、家で①を学習している段階で、学校や予備校で③や④の授業を受けることがありますが、それはそれでOKです。
キレイに4段階に分けることを意識する必要はありません。
意識するべきなのは、①に取り組んでいる間は①をメインテーマに据えるということです。その間、②・③・④はサブテーマだということを頭に入れておきましょう。
①が完成していないのに、③・④に夢中になってしまうことは避けてください。先ほども話したように、日本の学校教育では①よりも④を重視しがちなので、個人学習ではまず、①を固めることを意識しましょう。
まずは土台を完成させることが大切なのです。
覚えた理論を構文分けで実践することで、理解が深まるんですね!
そうです!実践で分からないところがあったら理論に立ち返る。理論と実践を行ったり来たりしながら、構文をつかんでいきましょう。
構文分けのやり方
さっきから言ってる「構文分け」って何?ということですが、ここで具体的に説明していきます。
「構文分け」とはつまり、英文の中にあるパーツ(単語・句・節など)が【 S.V.O.C.M 】のうちどれに当たるかを見分けて、5文型別に仕分けしていくことです。
ボクは上にあるように、単語は基本的に下線を引いて、SならSと書き込んでいます。(いろいろと書き込むので、拡大コピーをするのがおすすめ!)
句や節(単語が集まったグループ)は、名詞の働きをするものは [ ](四角カッコ)、形容詞の働きをするものは ( )(丸カッコ)、副詞の働きをするものは < >(三角カッコ)でまとめています。
この辺りを難しく感じてしまうかもしれませんが、慣れてしまうとサクサク書き込んでいけます。
このプロセスを学習できる参考書も後で紹介しますので安心してください。
上で説明した手順のうち、②に当たる部分でこの「構文分け」を実践していく段階になります。
先ほども触れたとおり、①の知識をもとに実践していくわけですが、③の知識を持っているとさらにサクサクいけますので、②を実践しながら③の知識も徐々に付けていくことがおすすめです。
なお、名詞の働きをするものは [ ](四角カッコ)、形容詞の働きをするものは ( )(丸カッコ)、副詞の働きをするものは < >(三角カッコ)というのはボクのやり方です。
どのカッコを割り当てるのかについては、いろいろな“流派”があるみたいで、とても面白いので、興味のある方はこちらのYouTube動画を見てください。
この動画で紹介されている“流派”の中から、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。
ボクは東進で今井先生に教えてもらったので、駿台・代ゼミの流れを汲む“流派”になります。(今井先生は東進の前に駿台・代ゼミの教壇に立っていたため。)
ボクは個人的に【 and 】は丸で囲み、【 but 】は/(スラッシュ)を書き込んでいます。
構造を視覚的に理解しやすい記号を使うと良いわけですね!
構文を軸にした英語長文へのアプローチ法
上では、「学習の流れ」というテーマで、時間軸の流れで構文を身につけるための学習法を紹介しました。
次に、ここでは1つの英語長文に対してどのようにアプローチしていくのかについてお話します。
ボクは学習の流れの②の段階に入ると同時に、1つの英語長文を学習するときに、以下のように取り組んできました。
精読:英文構造を見極める
まずは、「精読」です。「精読」=「構文分け」と思ってもらって大丈夫です。
上の画像で紹介したように、英語の長文を1文ずつ丁寧にパーツ分けしていって、構造を把握します。
授業で扱う長文であれば「予習」として精読を行い、テストや問題演習であれば問題を解いてから「復習」として精読を行いました。
ここでおすすめなのは、わからない単語の意味を調べたり、日本語訳をとったりする前に構文分けを行うということです。
構文の力はここにもあります。
例えば、上で説明した【 ③5文型に付随するルールを知る 】の段階では、構文がSVCの場合はS=Cの関係が成り立つというルールを学習します。
ですので、例えば、SVCの構文であるということはわかったけど、Cの部分の単語の意味が分からないとしましょう。
先ほどのS=Cという知識があれば、Cの単語はSと同じ、つまりSの性質を表す単語ということになります。
Sが人であれば、その人の性格とか見た目の特徴などを表す単語が入るんじゃないかなぁという想像ができますよね。
太郎(S)=イケメンだ(C)、花子(S)=頭がいい(C)みたいな感じで。
この段階までいってから実際に単語を調べるわけです。
その単語が仮に10個の意味がある単語であったとしても、実際にチェックするのは人の特徴を表す意味だけでいいので効率的です。
Sが太郎さんであれば、「太郎さんの性質を表す意味はないかな」という視点で辞書を見るわけですね。
さらには、この想像が当たっていた場合、構文の力を実感することができることはもちろんのこと、その良いイメージとともに辞書で調べた単語自体も記憶に残りやすくなります。
太郎・花子って…。ベタすぎない?
………。
音読:英文を返り読みせずに理解する
続いて行うのは、精読を済ませた長文を音読するプロセスです。
先ほど、【③付随するルール】や【④細かい構文】よりも先に、【②構文分け(実践)】に取り組んだ方がいい理由として、「実践しながらの方が構文を理解・習得しやすい」という理由を挙げました。
もう一つの理由がこの「音読」にあります。
ボクは「音読信者」ですが、ボクがどうこう言わなくとも音読の効果については十分に認識されていますよね。
その「音読」に早い段階で取り組むためにも、下準備として「精読(構文分け)」ができるようにならなければならないのです。
そして、音読も実践のプロセスの1つと考えてよいでしょう。
精読は「構文の仕分けをする」という実践でしたが、音読は「声に出す」という実践を通じて、英語の構造を感覚に落とし込んでいくわけです。
精読と同じように、音読でも③や④の知識があると、より高い効果が期待できます。
【②5文型の仕分け】は【精読(構文分け)+音読】でワンセットと捉えてください。
この音読のプロセスで意識することは1つだけ。「構文を意識する」ということだけです。
英語を英語として理解する、日本語を介在させずに理解することを意識して音読します。
といっても、初めから完璧にはできないので、「アタマの中から日本語を排除する」ということを意識しながら取り組んでみてください。
しばらくすると「あれ、そういえば音読中に日本語が浮かんでこなかったな」という感覚をつかめるようになってくるはずです。
音読でよくありがちなのが、「発音にこだわる」ということです。
ですが、ここでの目的はネイティブのような流ちょうな発音を習得することではありません。
音読によって、英語を英語として理解することが目標なので、意識を向けるべきなのは「発音」ではなく「構文」なのです。
ぶっちゃけ、発音なんてどーでもいいです。ここでは下手でもかまわないので、構文を意識して声に出すことを大切にしましょう。
ボクは受験生時代からずっと、1つの精読済みの長文を1日5回程度×1週間という分量で音読を行っています。
1回音読が終わるたびに、自分の苗字のシャチハタをポンっと押していきます。5回×7日で35個自分の苗字が並んだら、1回分の音読は終了。また次の長文の精読に移るという流れになります。
シャチハタがズラッと並ぶことで、自分の努力が“見える化”されて、毎日の音読学習のモチベーションにもなります。
精読→音読の積み重ねで英語脳ができていくわけですね。
そのためには高いモチベーションを維持するための工夫が必要です!
※音読について、さらに詳しいことは以下の記事にまとめています。
おすすめの英語構文参考書
それでは、構文の学習に最適だと思う参考書を紹介していきます。
ここで紹介するものは、実際にボク自身が使用した経験のあるもの、あるいは書店などでリサーチして内容を確認した上でおすすめできると判断したものです。
おすすめポイントに加え、上で説明した「構文理解の手順」の4つのプロセスのうち、どの段階での学習に最適か、手順別に紹介します。
構文の学習となると、どうしても大学受験用の参考書ばかりになりますが、社会人の方であっても十分使えるものばかりです。
社会人の方にもよくわかるように、実際にボクが社会人となってから英語の学び直しやTOEIC対策で使用したものには★マークをつけておいたので、参考にしてください。
見やすいように、先ほどの表を再掲しておきます。
手順 | 学習法 |
①5文型の理解 | S.V.O.C.Mの特徴を知る。②のための準備段階。 |
②5文型の仕分け | ①をもとに、実際に英文を構文分けができるようになる段階。 |
③5文型に付随するルールを知る | ①、②をもとに、さらに踏み込んだルールを学ぶ段階。 |
④その他の細かい構文の理解 | 【 It構文 】【 分詞構文 】などの特殊構文を理解する段階。 |
【英語構文】①5文型の理解におすすめの参考書
【CD付】高校 とってもやさしい英文解釈 改訂版
今回リサーチした中で、初学者が最も取り組みやすいのが本書だと感じた。
構文のいろはをコンパクトにまとめている。
構文の中でも5文型をメインにしているのがGOOD!
図表やカラーを使っていて、視覚的にも理解しやすい1冊。
主に高校1・2年生や、長期のブランクがある社会人向け。
構文について全く知らないから、この参考書から始めてみようかな。
「構文って何?」からはじめる人に最適の1冊ですよ!
こう読みこう解く英文読解 (河合塾シリーズ)
この参考書の存在は知らなかったが、内容を確認してみて“掘り出し物”だと感じた1冊。
『とってもやさしい英文解釈』と同じように【 ①5文型の理解 】に最適だが、こちらの方が少しレベルが上。
『とってもやさしい英文解釈』では物足りないという方におすすめの1冊。
河合塾が出版している参考書は、「メジャーではないけど質が高い」というのがボクの印象。
amazonのレビューでは「隠れた名著」って言われてますね!
はい、河合塾の参考書は「隠れすぎ」です!(笑)
【英語構文】②5文型の仕分けにおすすめの参考書
大学入試 レベル別英語長文問題ソリューション
すべての文が構文解説付きなので、自分の構文分けが正しいか確認することができる。
この参考書ならではのこだわりポイントが、音読に最適な長文の分量。
著者の肘井先生によれば、短すぎると文章の起承転結がつかめず、逆に長すぎるのも音読には不適切であるとのこと。
すべての英文が300語程度の長文で統一されていて、精読→音読のプロセスを効果的に学習できる。
精読だけじゃなく、音読にも最適なんですね!
音読用の白文までついているので、かなりおすすめの参考書です!
関正生のThe Rules英語長文問題集 <★>
こちらも、掲載されているすべての長文を、解説ページにて構文分けしてくれている。
難易度別に4冊に分かれているので、受験生は自分の志望校レベルに合わせて1・2冊程度こなすと良いと思う。
社会人の方は、ブランクのある方であれば、【1入試基礎】を1冊購入して、構文分けを実践してみるのがおすすめ。
実際にボク自身も、社会人になってから構文分けを実践するために使用した参考書。
社会人向けの構文書が無くて困ってます…。
入試問題は構文を取りやすい英文ばかりなので、社会人にもおすすめですよ!
【英語構文】③5文型に付随するルールを知るにおすすめの参考書
富田の英文読解100の原則 (新装版) <★>
ボクが実際に受験生時代に使用した参考書。社会人になってからも再度使用。
5文型の知識をもとに、それに付随したルールを学ぶことができる。
本書での学習後、読解力が飛躍的に上がり、早稲田大学合格につながった。
解説の分量が多く、なかなかハードな部分もあるが、本気で取り組めばこれほど効果的な参考書はないと思う。
100個も原則があるのかぁ…。
大丈夫!繰り返し学習すれば自然と身につきます!
富田の英語長文問題解法のルール144 <★>
富田先生の参考書が続いてしまって、すみません(笑)
上の「富田の英文読解100の原則」がインプット教材としたら、こちらはアウトプット教材。
問題を解きながら、構文にまつわるさまざまなルールを学習できる。
「富田の英文読解100の原則」との親和性も高いので、併用するのがおすすめ。
ただし、理系の国公立志望など、英語にかけられる勉強時間が限られる人は『100の原則』だけでもOK。
富田先生推しすぎません?(笑)
はい、すみません…。けどホントにおすすめなんです…。
【英語構文】④その他の細かい構文の理解におすすめの参考書
大学入試問題集 関正生の英文解釈ポラリス
特殊構文の理解におすすめしたいのがこちらの「関正生の英文解釈ポラリス」
著者の関先生は難しい専門用語は避けて、簡単な表現で英語の本質を抜き出すのがウマいと思う。
特殊構文に苦手意識のある受験生や挫折した経験のある社会人におすすめ。
難易度別に2冊に分かれています。
書店に行くと、関先生の参考書がズラーっと並んでますよね!
関先生は現在、英語教育界で最も評価の高い講師と言えるでしょう!
大学入試 世界一わかりやすい 英語構文の特別講座
5文型ではなく、【 It構文 】【 分詞構文 】などの細かい構文を扱っている参考書。
細かい構文を、例文を参照しながら学習できる。
初学者向けにできるだけわかりやすい表現をしているので、読み物感覚で気楽に学習できる。
長文読解やリスニングだけでなく、英作文にも対応できる1冊だと思う。
内容は良さそうだけど、表紙が萌え萌えすぎるなぁ…。
内容はいいんだけど、表紙が萌え萌えすぎるなぁ…。
解体英語構文 改訂版 [ブック型]
本書も5文型ではなく、細かい構文に焦点を当てた参考書。
入試問題の分析をもとに、285の構文を掲載している。
例題や確認問題が充実しているのが特徴で、インプットとアウトプットを並行して構文を身につけられる1冊。
分量的に、特殊構文の学習はこれ1冊あればOKかも。
特殊構文も完ぺきにしたいので、これ良さそう!
文字のフォントが大きく、レイアウトも見やすいです!
まとめ:構文という「武器」を手に入れる
いかがだったでしょうか。
英語構文の基本から学習法、さらにはおすすめの参考書について、自分自身の学習体験をもとに紹介しました。
構文はとても不思議なものです。
学習する前はめちゃくちゃ難しそうに見えるし、そもそもやらなきゃいけないのかどうか微妙に思える分野です。
ですが、ひとたび理解し、身につけてしまえば、これほど自分を助けてくれる「武器」はありません。
そして、学習する前に抱いていたイメージが逆転します。
構文を学習し終えたあなたは、「意外と簡単、しかも絶対にやらなきゃいけない分野だ」と気が付くでしょう。
そして構文のチカラによって、自分でも驚くほど長文を読めるようになります。
「構文を勉強する→長文が読めるようになる→読めるから楽しい!もっと勉強しよう!→さらに読めるようになった!」という“英語学習の上昇気流”に乗ることができるわけです。
今回はボク個人の学習体験がメインになりました。
エラそうに長々と語ってしまいましたが、「自分のやり方が絶対正しい!」などと言うつもりはありません。
あくまでもイチ個人の体験談ですので参考程度に考えてください。
あなたが構文を学習していく過程で、あなた自身のオリジナルの学習法を作り上げていくことをおすすめします。
この記事があなたの英語学習にとって役立つものであったなら、とてもうれしいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。