今回は英語が苦手だという受験生に向けて、英語を得意科目にするために必要な勉強法及び考え方について話していこうと思います。
ボクは高校時代まったく英語ができず、英語担当の先生にも諦められてしまうほどの成績でした。
ところが、高校卒業後の予備校生活で英語成績が急上昇。第一志望であった早稲田大学合格を果たすことができました。
高校時代にはただやみくもに英文を読んで、訳すだけの学習法でしたが、予備校に入り、正しいアプローチを学び、さまざまな試行錯誤を経て、効果的な英語学習法を身につけたわけです。
「英語が苦手な自分でも、しっかりとしたアプローチをすればこんなに理解できるんだ」と感動したことを覚えています。
この記事ではそうした自分自身がこれまでの英語学習で得た“学び”や“気づき”をあなたにシェアしたいと思います。
ボクが受験生の頃は今ほどSNSも普及しておらず、英語学習法に関する情報も限られていました。
ただ情報が少ない分、勉強法が複雑化することなく、シンプルな学習法を継続するには良い環境だったと思います。
そしてシンプルだからこそ、ボクが今やっても変わらず継続できますし、効果があります。また、あなたがやっても再現性があり、効果が期待できるのです。
以下では、英語に苦手意識を持っている方でもサクサク読めるように難しい表現は避けています。また、今回紹介する勉強法の中に複雑なやり方はありません。
英語が苦手で悩んでいる方、一生懸命勉強しているのに成績が上がらない方にとって役立つ情報が含まれているはずです。
ぜひ最後までご覧ください。
この記事では、以下のような情報を知ることができます。
- ツボを押さえることが重要!英語を理解するために必要な要素
- シンプル is ベスト!英語を得意科目にするための勉強法
- 毎日の学習をより効果的に!日々の勉強の中で意識すべきこと
この記事を書いた人
ヒラク
TOMOSU BLOG 運営者・執筆者
早稲田大学政治経済学部政治学科卒 / 早稲田5学部・上智3学部を受験し、すべて合格
【大学受験英語】苦手を得意に変えるために知っておきたい「英語の要素」
英語を理解するための2つの要素
ボクは英語を理解するために必要なポイントとして、2つの要素があると考えています。その2つの要素とは、ミクロとマクロと言い換えることもできます。
そして、英語が苦手なあなたに重点的に取り組んでほしい学習分野もこの2つになります。
- ミクロ=単語(ボキャブラリー)
- マクロ=構文(5文型)
1つの英文を分解したときに、最小の単位となる部分(ミクロ)が単語・熟語であり、最大の単位、あるいは軸となる部分(マクロ)が構文(5文型)です。
つまり、「英語を理解する」とはミクロ(単語)を押さえたうえで、マクロ(構文)を把握することを指します。
おそらくどんなに英語が苦手な方であっても、ミクロ(単語)が重要というのは知っているでしょう。
が、マクロ(構文)の重要性となるとその割合はガクンと下がるのではないでしょうか。
実際に、ボクの高校時代がそうでした。そもそも5文型をしっかりと習った記憶がありません。
超重要な5文型そっちのけで、特殊構文や日本語訳の書き取りばかりやらされる日々。
今でも覚えてるのですが、教科書に出てきた英文を3回ずつ書くという謎の苦行までやらされていました。
これでは英語力が上がらないのも納得です。
英語のベースには【①ミクロとしての単語】があり、【②マクロとしての構文】の理解が欠かせないのです。
5文型知らずに、英文読めるわけないじゃん…。やだ、もう…。
ワタシも5文型ちゃんとやってなかった…。やだ、もう…。
構文を身につけることで得られる効果
単語を覚えることで得られる効果はわかりきっていることですので、ここではマクロ、つまり構文を身につけることで得られる効果について話していこうと思います。
「構文を身につける」ということをより分かりやすく表現するならば、「英語を理解するためのOS(オペレーティングシステム)を脳内にインストールする」ということになります。
OSについてググってみると、「コンピューターの動作を管理・制御して、人間がコンピューターを使えるようにするソフトウェア」だと教えてくれます。
つまり、「構文を身につける」=「脳の動作を管理・制御して、日本人が英語を使えるようにするソフトウェアをインストールする」と言うことができます。
Android(Google製)とかiOS(アップル製)を組み込むことで、ボクたちがスマホを使えるようになるのと同じことです。
日本語にどっぷりつかっていた脳に、英語対応のシステムを組み込んで、「英語をイチイチ日本語に置き換えずに理解する」「英語を英語として理解する」ことができるようになります。
英語が苦手な受験生によくみられるのが、「英文を一度読んだ(聴いた)だけでは理解できない」「返り読みしないと意味を把握できない」というパターン。
あっちに行ったり、こっちに行ったりしているあいだに時間がどんどん過ぎてしまい、結局英文の意味は理解できないまま、という経験はあなたにもあるはず。
ボクも高校時代はそうでした。
脳に日本語対応のOSしかなく、英語には対応しきれなかったわけですね。
その問題を解決してくれるのが「構文を身につけること」です。
ここで注目してほしいのですが、ボクは先ほどから「構文を身につける」と言っています。「構文を理解する」とは言っていないことにお気づきでしょうか。
つまり、構文とはアタマで理解するだけではダメであって、「体で理解する」「感覚に落とし込む」ということが大切なのです。
ボクの例で言うと、早稲田に合格したとき、あるいはTOEICで900点台を達成したときには、英文を見たときに構文=英文の構造が浮き上がって見えてくるような感覚がありました。
構文を即座に判断できると、先ほど言ったことに加え、英語の構造の「中心部分」と「おまけ部分」を見抜くことができます。
「中心部分」とはつまり、そこが無ければ意味として成立しない部分のこと。さらに、「おまけ部分」とは、そこが無くても、意味としては成立する部分のことです。
「中心部分」と「おまけ部分」を見極めることができると、中心部分さえわかれば、その英文の意味をザックリと理解できます。
おまけ部分にわからない単語があっても、その英文を書いている人の言いたいことは中心部分に詰め込まれていますから、おおまかな意味は把握できるのです。
わかりやすいように、日本語で考えてみましょう。以下のような文があったとします。
「サッカーは、危険なプレーもあるけれど、とても面白い」
この文で書き手が言いたい部分(中心部分)はどこでしょうか。中心部分だけを抜き取ると以下のようになります。
「サッカーは、とても面白い」
ここで抜き取られなかった部分(=危険なプレーもある)はおまけ部分であり、ここが理解できなかったとしても、書き手の言いたいこと(中心部分)はザックリと理解できます。
書き手は「危険なプレーがある」という点よりも、「とても面白い」という方を伝えたいわけです。
どんなに単語を勉強していても、わからない単語は必ず出てきます。
その中で、「これはおまけ部分だから、わからない単語があるけど気にしないでOK」と判断できれば、おおよその意味を把握しながら読み進めることが可能になります。
反対に、おまけ部分ということが把握できずにいると、どうしてもわからない単語に気をとられてしまい、その部分でウジウジ考えたり、何度も行ったり来たりして意味をとろうとしてしまいます。
また、構文は「読む」「聴く」だけでなく、空所補充問題などにも役立ちます。
構文は英語の構造であるとは先ほどから話しているとおりですが、その構造、つまり英単語の並び順には法則があり、そのルールを学ぶのが構文学習です。
英単語の並び順を知っていれば、その一部を抜き取ったとしても、そこの部分に入る単語を見抜くことができます。
名詞が入るのか、形容詞が入るのか、はたまた副詞なのか。
これを問うのが空所補充問題であり、こういった問題は構文を身につけている受験生からすれば“サービス問題”なのです。
自分の脳内に英語仕様のOSをインストールし、構文=英語の構造をそのまま把握することを目指しましょう。
構文を身につけることは、想像しているよりも簡単で楽しいプロセスです!
そのプロセスについては、以下で紹介していきますね!
【大学受験英語】苦手を得意に変えるための勉強法
上記のことを踏まえたうえで、ボクがあなたに提案するのは、以下の2つの学習です。
徹底的な単語学習
単語についてですが、これはもうシンプル。「やるか、やらないか」です。
大学受験用の単語帳・熟語帳を用意して、受験本番までひたすらにまわす。徹底的にやり込みましょう。
単語学習について、あなたにアドバイスするとすれば「単語帳(熟語帳)1冊すべてを均等に」ということでしょうか。
受験生向けの単語帳はだいたい2,000語程度の英単語を収録しています。
そして、そのほとんどが2,000語の英単語を「初級編」「中級編」「上級編」などといった感じでレベル分けしていますよね。
大切なポイントは、初級編から上級編までまんべんなく、均等に学習するということです。
ボクもそうでしたが、ありがちなのは「初級編を完璧に覚えてから中級編に進もう」というやり方。
これは一見正しいように見えて、実は非効率です。
受験において、英単語帳にのっている単語はすべてが「基礎」です。初級編の単語だけが基礎なのではありません。
「初級編を完璧にしてから…」と言っていると、中級編・上級編に触れる回数が少なくなり、単語力があやふやなまま入試本番を迎えてしまうことになりかねません。
たくさんの英単語に触れておくことで、授業や問題演習で出てきた英単語を見たときに「あっ、これ単語帳の上級編でやったぞ」という感じで、単語を見たときに「ビビッ」ときます。
この「ビビッ」をたくさん経験することで、あなたの脳内に英単語が定着していくのです。
そのためにも、初級編から上級編までまんべんなく学習するということを心がけましょう。
結局、英語力=単語力なんだよなぁ。単語学習からは逃げられない。
確かに…。よーし、ワタシも単語固めるぞぉ!
※単語学習については、以下の記事にまとめています。
構文をベースにした音読学習
2つめの要素である「構文」を身につけるための学習法は、「構文をベースにした音読学習」となります。
ボクが「なぜあなたは早稲田大学に合格できたのですか?」と聞かれたら、「音読をしたから」と答えます。
音読はそれほど効果が高く、高い英語力を養成するには最適の学習法です。
先ほども話したように、構文はアタマで理解するだけではダメです。体で理解する・感覚に落とし込むことによって、はじめて英語の理解に役立ちます。
感覚で落とし込むために最適の方法が「構文に基づく音読」なのです。
そのためには、2段階のプロセスが必要になってきます。
1段階目が、「構文を分析する段階」。
そして2段階目が、「分析した構文を意識しつつ、英文を声に出して読む段階」です。
1段階目では、英文の構造を実際に分解して、どのような骨組みなのか・中心部分はどこなのかといったことを把握します。
2段階目では、1段階目で分析したことを声に出して読むことで、英語の構造を自分の体の中に浸透させていくのです。まさに英語仕様のOSをインストールする段階と言えます。
1段階目=精読、2段階目=音読という流れになります。
1段階目を行うためには、構文、とりわけ5文型の理解が欠かせません。
2段階目を行うためには、感覚に落とし込んでいくわけですから、正しいアプローチが必要になってきます。
どちらも決して難しくはありませんが、この2段階をすっ飛ばしていると、高校時代のボクのようにいつまでたっても英語を理解することはできません。
この記事ではロードマップとして基本的な方向性だけを伝える内容にしています。
1段階目・2段階目ともに、別記事に詳しい学習法をまとめています。下にリンクを貼ってますので、詳細はそちらをご覧ください。
構文を意識して音読する。シンプルかつ最強の学習法です!
ふむふむ、シンプルなら続けられそう。ワタシもやってみるか。
※1段階目の構文学習については、こちら。(2段階目にもサラッと触れてます)
※2段階目の音読学習については、こちら。
【大学受験英語】日々の勉強の中で意識すべきこと
日々の勉強をより効果的にするために、あなたに意識してほしいのは次の3つです。
単語と音読を最優先で取り組む
意識すべきことの1つ目は、「単語と音読を最優先で取り組む」ということです。
これまで述べてきたように、英語を理解するための要素がこの2つなのですから、当たり前と言えば当たり前のハナシです。
ボクの経験で言うと、「この2つを英語の中で最優先にした」というよりはむしろ「全教科の中で最優先にした」と言った方が正確だと思います。
志望する大学・学部が国公立であれ私立であれ、あるいは文系であれ理系であれ、英語が苦手なままだと不利になってしまうというのはすべての受験生に当てはまるポイントでしょう。
【単語と構文を固める→英語が得意科目になる→志望校に合格する】という関係性が成り立ちます。
単語と構文をしっかりと固めることが、志望校合格につながるのです。
だからこそ、この2つは毎日やらなければなりません。
忙しい日もあるでしょう。疲れてやる気が湧いてこない日もあるでしょう。
そんな日も単語学習・音読学習だけは欠かさずやってください。
それがあなたに第一志望校合格という結果をもたらしてくれます。
忙しい日もあるじゃろう。やる気がしない日もあるじゃろう。じゃが、単語と音読だけはやるのじゃ!
言い忘れてましたが、このブログは英語の神様が降臨します。
本質にフォーカスする
意識すべきことの2つ目は、「本質にフォーカスする」ということです。
例えば、単語学習の本質とは何でしょうか?
それは当たり前のことですが、「単語を覚えること」ですよね。
当たり前すぎて誰も指摘しませんが、この当たり前のことを徹底できている受験生は決して多くはないというのが実情です。
みんながこの当たり前を徹底しているならば、誰だって早稲田・慶応レベルに合格するでしょう。
本質である「単語を覚えること」にフォーカスせずに、単語帳選びに時間をかける人。あるいは単語を覚える作業を避けて、問題演習ばかりやっている人。
あなたの周りにもそんな人が1人はいることでしょう。
あなたはそうなってはいけません。
単語帳なんて、ハッキリ言って何でもいい。すでにあなたの手元にあるものでOK。これから単語帳買う人は、ベタなやつ(例えばターゲット1900とか)で十分です。
ベタな単語帳を誰よりもやり込む。これが単語学習の「本質」であり「王道」です。
では音読学習の本質とは何か。
これは先ほども話したとおり、「英語を体に浸透させる」ということです。
これ以外のことは「本質」ではない、つまり「ムダ」ということになります。
音読でよく見かけるのが、発音にこだわる人。
これもハッキリ言えることですが、発音なんてどーでもいい。
受験英語に限らず、ビジネス英語でも日常英会話でも、英検でもTOEICでも、発音なんてどーでもいい。本質ではありません。
脳科学者の茂木健一郎さん・解剖学者の養老孟司さんなども「発音なんかどーでもいい」「言葉の本質は発音にはない」と話しています。
本質をつかんでいる人というのは、ムダを排除し、本質だけにアプローチします。
一方で本質がわかっていない人とは、ムダにとらわれてしまい、本質とはかけ離れたところで「あーでもない、こーでもない」と言っている人たちです。
受験生でムダにとらわれている、その最たる例が「単語帳選び・参考書選びに時間をかけている人」「発音にこだわっている人」でしょう。
あなたがやるべきことは、入試本番までの限られた時間を有効に使うこと。つまりは本質だけにフォーカスすることです。
ヘッタクソな発音でいいから、毎日音読を繰り返して、英語という言葉を自分の体の中にしみ込ませていきましょう。
ボクは予備校時代も今も、発音はヘッタクソ。それでも音読の効果は絶大っす。
発音にこだわるのではなく、愚直に音読を繰り返すことが重要ですね!
成長曲線をあらかじめ理解しておく
意識すべきことの3つ目としてあなたに伝えておきたいのは「成長曲線をあらかじめ理解しておく」ということです。
上の図のように、自分がイメージしている成長イメージと、実際の成長スピードとの間にはギャップがあります。
この記事では、単語と構文の重要性について話してきましたが、その2つも同じです。
ボクの経験をお話します。
ボクは本格的に受験勉強に取り組んだのは予備校に入った4月から。翌年2月中旬~下旬の早稲田大学の入試までの期間は1年弱という状況でした。
その中で、1学期・夏期講習は基礎固めに充て、2学期以降徐々に問題演習・実戦練習を増やしていくという戦略で臨みました。
基礎固めの中でも、さらに軸となるのが単語と構文(音読)です。
単語については4月のアタマから、音読については5文型の基礎を学ぶ必要もあったので5月のGWくらいから取り組みはじめました。
今でもよく覚えているのですが、夏期講習が終わり、2学期を迎えると、自分でもビックリするくらい英語を理解できるようになっていました。
秋口に受けた模擬試験では全国上位、英語についは早稲田政経志望者の中で一桁台の順位でした。
単語と音読を毎日継続したおかげなのですが、そうは言っても1学期はなかなか成果が出ず、苦しかったことを記憶しています。
自分がイメージしているような成長が見えず、「やっぱり俺ってダメなのかな」と思うこともありました。
大切なのは、そうした時期にもめげずにコツコツ単語学習・音読学習を継続することです。
続けてさえいれば、ある時期から爆発的に成長を実感できる時がやってきます。
音読の効果を感じられるのは「3か月くらい」と覚えておいてください。3か月間毎日継続すると、「英語を英語として」理解できるようになります。
なかなか結果に結びつかないときには自信を無くしてしまうことでしょう。そんなときには上の成長曲線を思い出してください。
「自分は今成長曲線の下にいる。不安になっているのは、いつか爆発的に成長する前触れだ」と自分自身に話しかけてあげましょう。
モチベが低いとき、不安なときにいかにコツコツ続けられるかが重要ですね!
英語が得意な人だって、はじめからできるわけじゃないですからね!合格する人は皆、不安を乗り越えていくんです。
まとめ:単語と構文。2つの武器が、あなたを志望校合格に導く。
いかがだったでしょうか。
ボク自身の体験を紐解きながら、苦手な英語を得意科目にするためのアプローチ法を考察してきました。
ボクはこのブログを通じて、自分の体験や考えを押し付けることがないように気を配っています。
ボクの学習体験・成功体験はあくまでもボク個人のモノであって、万人に当てはまるわけではないからです。
「ボクの場合はこうしたらうまくいきました」という体験談をシェアしているだけです。
ですが、今回紹介したアプローチ法は、おそらくかなりの割合の受験生に効果があるのではないかと思っています。
単語というミクロの視点と、構文というマクロの視点を持って英文に対峙していく。
このやり方は、人を選びませんし、時代を問いません。
どんな人であれ、どの時代の人であれ、この2つが英文理解のベースであり、入口なのです。
このポイントを押さえたうえで、毎日コツコツ単語と音読に向き合ったあなたは、圧倒的な英語力を手に入れることでしょう。
今回紹介したロードマップが、あなたの英語学習に少しでも役立つことがあったなら、とてもうれしく思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。