今回はTOEIC試験における英文法の勉強法やおすすめ参考書について、ボク個人のこれまでの学習経験に基づいて紹介したいと思います。
ボクは大学受験を終えてから本格的な英語学習から遠ざかっていましたが、ブランクを経て英語学習を再開しました。
ボク自身まだ英語上級者とは思っていませんが、ボクと同じように大学受験・専門学校受験からブランクがあるという方にとって少しでも参考にしてもらえればと思い、英文法にテーマを絞って話していきます。
自分の経験上、英文法は学習前に対策を練ることが大切な分野だと感じます。
何も考えずに学習を始めると、まったく見当はずれな学習法を選択したり、目標に沿わない参考書を手にしたりしてしまいます。
TOEICのPART5も同様で、学習前にしっかりとした戦略を立て、正しいアプローチをとらなければ、いつまでたっても結果は出ません。
ボクはこれまで大学受験では早稲田合格、TOEICでは900点台達成と、ある程度の結果を残してきました。
ここではそうした自らの体験をベースに、TOEICの英文法における問題点や対策、さらには学生時代の英語学習との相違点などにも触れたいと思います。
この記事では以下のような情報を知ることができます。
- そもそも英文法とはどのような学習分野なのか、その特徴
- TOEICのPART5の特徴・問題点
- PART5対策として有効な勉強法・英文法学習の目標地点
- TOEICの英文法学習に最適の参考書・問題集・講座
この記事を書いた人
ヒラク
TOMOSU BLOG 運営者・執筆者
早稲田大学政治経済学部政治学科卒 / TOEICスコア 現在920点
【TOEIC・PART5対策】英文法特有の問題点・考え方
勉強法についての話題に入る前に、英文法という分野に特有の問題点や英文法学習に対する考え方について話しておきたいと思います。
英文法は分量に限りがある
まず英文法を他の学習分野と比べたときに、際立っていることは、「分量に限りがある」ということです。
英単語はほぼ無限といってもいいくらいの分量があります。
単語帳が“出やすい”単語を絞ってくれてはいますが、あくまでも“出やすい”というだけであって、実際に問題演習をしていると、単語帳に掲載されていない単語も普通に出てきます。
そして、リーディング・リスニングも同じように無限ともいえる学習対象があります。
それに比べ、英文法には「分量に限りがある」という特徴があります。
そして、「大学受験の英文法」と「TOEICの英文法」の分量は異なります。
詳しくは以下で述べますが、まずはその「分量の違い」を正確に見極めることが重要です。
その違いを見極めたうえで、英文法をできるだけ早い段階で固めてしまうことが効率的な学習法といえます。
分量が限られている分、一定の期間で固めてしまうことが可能な分野なのです。
分量が限られているからこそ、限られた部分をしっかり固めておく必要があります。
「限られた分量」の見極めが大切ですね!
「難しいを難しく」or「難しいをわかりやすく」
英文法にはもう一つ大きな特徴があります。それは、「そもそも難しい学習分野である」ということです。
“英文法”という言葉を分解してみるとわかります。「英文の法則」となりますよね。
「英文の法則」という名前の通り難解なテーマなので、大学教授や言語学者などの研究対象にもなっているわけです。
分量が限られているとはいえ、ボクたち英語学習者はそのような奥の深いテーマを学ばなければならないわけです。
以上のことを踏まえると、英文法の講座や参考書は2種類に分かれると言えます。
1つが「難しい英文法を難しく」教えているもの。そしてもう1つが「難しい英文法をわかりやすく」教えているものです。
「難しい」という大前提は同じですが、それを難しいままの形で解説しているのか、それともわかりやすくかみ砕いて解説しているのかを見極めることが非常に重要になってきます。
英語に限らず、どの分野の勉強であれ、いつまでも講座選びや教材選びに時間を割いていて、実際に勉強にとりかかっていない学習者を目にすることはあります。
講座・教材選びにこだわってばかりいる学習者はよく「参考書マニア」と言われ、あまり成績が伸びないとされています。
「講座選び・教材選び」よりも「実際の学習」の方が大事であることは言うまでもありません。それは英語学習においても同じことです。
ですが、「英文法」という分野に限って言えば、それが覆ります。「難しいものをわかりやすく」解説している教材・講座を時間をかけて選ぶことが極めて重要なのです。
むやみやたらに勉強を始めるのではなく、講座・教材についてのリサーチをしっかりと行うことが英文法学習のカギになります。
今回の記事ではそのリサーチをあなたに代わって行い、その情報を提供する記事となっています。
文法が苦手な人って、「難しいものをわかりやすく」解説している教材に出会えてないだけだったりするんだよなー。
ホントに選ぶ教材に左右されやすい分野ですよね。
【TOEIC・PART5対策】TOEIC英文法の特徴
それでは上記の英文法全体の特徴を踏まえたうえで、TOEICのPART5の特徴について考えてみます。
ボクが思う、PART5の特徴は以下の2点です。
- 大学受験等に比べて、細かい知識は必要とされない
- 厳しい時間設定
大学受験等に比べて、細かい知識は必要とされない
まず1つ目の特徴として、「大学受験等に比べて、細かい知識は必要とされない」という点があげられます。
大学受験、特に難関大学レベルの試験と比べると、文法問題で必要な知識というのはそれほど多くはないように思います。
大学受験は日本の試験である一方、TOEICはアメリカの機関が作成している試験です。
日本人はやたらと英文法を細分化し、難解にします。その特徴が大学受験とTOEICの違いとなって表れているのではないでしょうか。
英語圏の試験よりも難しいレベルの問題を日本の学生は解かなければならないなんて皮肉なものですが、自分の経験から考えても、明らかにTOEICの文法問題の方が易しいと感じます。
こうした特徴から浮かび上がってくるのは、TOEICにおいては文法の細かい分野に足を踏み入れず、PART5で問われる部分だけを確実に押さえておくということです。
学生時代よりも学習対象を狭める、その分その対象を深く理解しておく、ということが必要だと思います。
日本人って何でもかんでも難しくしちゃうんだよなぁ。
少なくともTOEIC学習では細かい文法知識は必要ありませんね!
厳しい時間設定
2つ目の特徴としては、「厳しい時間設定」があげられます。
TOEIC全体に言えることですが、PART5もまた、時間設定の厳しさが受験者を苦しめるのです。
「PART5は1問当たり○秒以内で解かなければならない」などという対策をよく目にします。
これはつまり、PART5は時間短縮につなげやすいPARTであるとともに、受験者の能力によって解答時間に差が出やすい分野であることを物語っています。
上でTOEICの英文法は学習対象を狭めると言いましたが、時間設定のことを考えるとその学習対象を深く理解しておく必要があります。
問題を見てからあれこれ考えていては、時間設定の壁を超えることはできません。
必要なのは「アタマではなく、カラダで解く」ということです。
具体的に言えば、問題の英文を読んだ瞬間に「あっ、この部分には副詞が入るな」というのが感覚的にわかる状態です。
「えぇっと、うんっと」とアタマであれこれ考えていては、あっという間にタイムオーバーになってしまいます。
英文法の理論をアタマで理解しているだけではなく、感覚に落とし込んでおく必要があるのです。
では、そのためにはどうすればいいのでしょうか。以下で詳しく述べていきます。
考えるでない。感じるのじゃ!
このブログは英語の神様が降臨するよ!素敵なブログだね!
【TOEIC・PART5対策】英文法の勉強法・重点的に学習すべき分野
これまで述べてきた特徴をおさらいしておきます。
- 英文法は分量に限りがある
- 「難しいをわかりやすく」解説している教材を選ぶ
- 大学受験等に比べて、細かい知識は必要とされない
- 厳しい時間設定=アタマではなく、カラダで解く
こうした特徴に対してとるべき対策は以下のとおりです。
- 基本を深く理解する・文法の細かい部分には手をつけない
- 感覚に落とし込む・圧倒的な量の問題演習
基本を深く理解する・文法の細かい部分には手をつけない
対策の1つ目としては、「基本を深く理解する・文法の細かい部分には手をつけない」ということです。
TOEIC・PART5特有の問題点として、「比較的簡単・時間設定が厳しい」という点をあげました。
英文法の中で、TOEICで問われる部分をしっかりと理解しておく一方で、それ以外の部分には手をつけないことが大切です。
こうして言われると当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、これができている受験者は決して多くはありません。
日本人はとにかくマジメですから、細かい部分に首をつっこみたがります。
分厚い文法書を購入して、英文法の研究者さながらに細かい文法知識をアタマに詰め込んでいくわけです。
こうした学習姿勢は、大学受験ではある程度必要かもしれませんが、TOEICでは害でしかありません。
細かい部分まで手を広げた結果、基本部分がおろそかになるというのがオチです。
ボクのおすすめの基本書は下の方で紹介しますが、まずは基本部分だけを絞り込んで解説している参考書を選びましょう。
TOEICで問われる部分を見極め、そこを深く掘り下げる。それ以外は無視でOKだと思います。
学生時代からのクセで、ついつい細かい部分に足を踏み入れがち…。
常に基本範囲を意識して学習に取り組もう!
感覚に落とし込む・圧倒的な量の問題演習
対策の2つ目としては、「感覚に落とし込む・圧倒的な量の問題演習」です。
対策の1つ目としてあげた「基本部分の見極め」ができたら、その基本を徹底的に繰り返します。そして、基本を感覚に落とし込んでいくのです。
難しい英文法をわかりやすく解説している教材、かつ細かい文法知識には触れていない教材で英文法の基本部分をしっかりと把握したら、アウトプット教材で問題演習を重ねます。
問題演習の中で基本部分をしっかりと理解できていないと感じる部分があったら、基本書に立ち返って該当部分を確認します。
地味だけど、この繰り返しがベストです。圧倒的な量をこなしていくしかありません。
これによって、英文法の理論を感覚に落とし込んでいくわけです。
感覚に落とし込むとどうなるか。
ボクの経験で言えば、問題を解いていて選択肢に見たこともない単語が並んでいるけど感覚で解けてしまう。問題を解いていて、「あぁ、これは基本書の後ろの方の左のページに載っていたな」と画が浮かぶ。
このように「英文法」という法則が自分のカラダに感覚として染み込んでいる段階まで登りつめることが理想です。
そうすることで、TOEICの厳しい時間設定を乗り越えることが可能になるのです。
量をこなすことから逃げていては、時間設定の壁は超えられません!
どのジャンルでも、量をこなすことでしか解決できないことってありますからね!
英文法学習の中でも特に重要なテーマ
学習内容として、英文法の中で特に重要だと感じるのは「構文」です。
TOEICのPART5では、英文法の空所補充問題が出題されますが、その中で2番目に出題数が多いのが品詞問題です。
最も出題数の多いのは語彙問題で、これは文法問題というよりも語彙力を問う問題ですので、純粋な文法問題としては品詞問題が最頻出と言ってよいと思います。
その超重要な品詞問題を解くカギは「構文」です。
問題で問われる空所部分が5文型の中のどのパーツなのかがわかれば、品詞問題は簡単に解けます。
一方で構文を理解せずに品詞問題を数ばかりこなしても、決して解けるようにはなりません。
そして、構文を理解しておくことは、品詞問題以外でも重要な要素となりますし、リスニングやリーディングにも役立ちます。
英文法のインプット段階でしっかりと「構文」を理解しておくことをおすすめします。
構文の重要性ってイマイチ認知されてないですよね?
ボクは構文を深く理解していることが、英語上級者への第一歩だと思ってます。
※構文については以下の記事にまとめています。よければどうぞ。
英文法のおすすめ参考書・問題集・講座
くどいようですが、英文法は「難しいものをわかりやすく」解説している教材・講座を選ぶことが大切です。
ここではその条件を満たすおすすめの教材・講座を、【参考書(インプット教材)】・【問題集(アウトプット教材)】・【オンライン講座】に分けて紹介します。
それぞれの教材を<おすすめ度>・<レベル>・<プラスポイント>・<マイナスポイント>の4項目で評価しています。
※レベルについては以下のとおり。
初級者=中学英語・高1,2年英語に不安のある方
中級者=中学英語・高1,2年英語は大丈夫。大学受験~TOEICレベルの英語学習から取り組みたい方。
おすすめ参考書(インプット教材)
キク英文法
おすすめ度 | ★★★★★ |
レベル | 初級者~ |
プラスポイント | 解説がわかりやすく、分量が均一なので毎日の学習に取り入れやすい。 |
マイナスポイント | 文字での解説が中心なので、視覚的に理解することができない。 |
ボクはこの「キク英文法」を使用しました。
多くの英語系YouTuberが推薦していることでも知られています。
改訂版 世界一わかりやすいTOEIC(R)テストの英文法
おすすめ度 | ★★★★☆ |
レベル | 中級者~ |
プラスポイント | 英文法を軸にしつつ、リーディング・リスニングにつながる解説も豊富。 |
マイナスポイント | 「世界一わかりやすい」というタイトルだが、内容は大学受験以上のレベル。 |
関先生の教材は難解な学術用語は使わずに解説しているのが特徴。
リスニングやリーディングにもつながる解説が◎。
TOEIC L&R TEST 出る問特急 金の文法
おすすめ度 | ★★★★☆ |
レベル | 初級者~ |
プラスポイント | 初級者にもわかりやすい丁寧な解説。TOEIC特化型なのでスコアにつながりやすい。 |
マイナスポイント | TOEICに特化した内容。総合的な英語力を身につけたい人には不向き。 |
有名な「金フレ」シリーズの1冊。
できるだけ早くスコアアップしたいという初心者向きの1冊。
おすすめ問題集(アウトプット教材)
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
おすすめ度 | ★★★★★ |
レベル | 初級者~ |
プラスポイント | TOEIC英文法の問題集と言えばコレ!解説がコンパクトなのもうれしいポイント! |
マイナスポイント | 1,000問超あるので、しっかりと学習時間を確保できなければ消化不良になってしまう。 |
「量」が多いだけでなく、「質」もNo.1の1冊。
何周もまわして、感覚に落とし込んでいくのには最適。
TOEIC® L&Rテスト 詳説英文法
おすすめ度 | ★★★★☆ |
レベル | 初級者~ |
プラスポイント | 初心者にも理解しやすい詳しい解説が印象的。レイアウトも◎。 |
マイナスポイント | 初心者向けである一方で、高スコアを目指す方にとっては物足りないかも。 |
初心者の方にはおすすめ。
インプットと並行して問題演習ができるのが特徴。
1駅1題! TOEIC L&R TEST 文法特急
おすすめ度 | ★★★★☆ |
レベル | 初級者~ |
プラスポイント | TOEICに特化した内容。短期間でのスコアアップを目指せる。 |
マイナスポイント | 内容・問題数ともにコンパクトな1冊。演習を重ねるにはボリューム不足。 |
TOEICの英文法問題をコンパクトにまとめた1冊。
スキマ時間での学習などに最適。
おすすめオンライン講座(インプット・アウトプット)
スタディサプリENGLISH TOEIC対策コース
おすすめ度 | ★★★★★ |
レベル | 初級者~ |
プラスポイント | 解説動画がとにかくわかりやすい。問題演習量も豊富。 |
マイナスポイント | 教材学習に比べて、費用が高め。 |
ボクは本講座を6カ月パックで受講しました。
関先生の解説動画がとにかくわかりやすくて、おすすめ!
\ 詳細はこちら! /
まとめ:アウトプットをたくさんこなすために、インプットを早めに固める
いかがだったでしょうか。
個人的に、なぜ大学受験で英語を得意科目にできたのかということを、今思い返してみると、英文法を徹底的にわかりやすく解説してくれる講師と出会えたことが大きかったように思います。
そして、その経験があったからこそ、TOEIC対策で英語学習を再開したときにも、英文法の講座・教材選びに時間をかけ、こだわりぬきました。
「難しいものをわかりやすく」解説している教材・講座を活用することが、英文法学習の近道かつ王道だということを経験を通じて理解していたのです。
結果、比較的短期間で900点台のスコアを出すことにつながりました。
言うまでもありませんが、英文法は英語学習の基礎です。英文法を固めることで、リスニング・リーディングも加速度的に伸びていきます。
英文法に対する理解力、そしてアウトプット力があなたのTOEICスコアに直結するのです。
ボク個人の経験をもとに選び抜いたおすすめ教材・講座の中に、あなたにとって最適のモノがあることを願っています。
そして、今回の記事があなたの英語学習にとって役立つものであったなら、とてもうれしく思います。
ボク自身も現役の英語学習者です。目標に向かって、一緒に頑張りましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。