今回は英語の多読におすすめの洋書を、ノンフィクション系のジャンルから20冊に絞って紹介したいと思います。
英語学習において、多読の有効性については既によく知られています。
英語を浴びることで単語や文法を自然な形で身につけることができ、脳が英文をパターン認識していくわけです。
そのことで英語を「読む」ということだけではなく、英語4技能すべての底上げにつながり、総合的な英語力アップが期待できます。
ボク自身も多読学習に取り組んでいるひとりなのですが、これまでの読書経験の中でフィクションとノンフィクションがもたらす効果・メリットはそれぞれ異なっているように思います。
今回の記事ではまず、ボクが読んだ中からあなたにおすすめしたい洋書をあげていきます。
その後、ノンフィクションを読むことで得られた効果・メリット、さらにおすすめの取り組み方を紹介します。
このブログの基本方針として、「自分自身の体験を話す」ということがあります。
範囲が個人の読書歴に限られるので偏りがあるかもしれませんが、一般のいわゆる“まとめ記事”では見かけないような洋書もいくつかあるはずです。
20冊に絞るうえでは、読み物として多くの「気づき」を得られるという点を重視しました。ぜひ最後までご覧ください。
※以下では「ノンフィクション=フィクション以外のジャンル」というイメージで記事を展開していきます。
ノンフィクションには「事実に基づいた物語、ドキュメンタリー」という定義もありますが、ショッピングサイトamazonではノンフィクションジャンルの本として「歴史・社会・ビジネス・科学・語学・生活」などを幅広く扱っています。
当記事もそのようなイメージで読み進めてください。
この記事では、以下のような情報を知ることができます。
- 感想コメント付き!筆者がおすすめするノンフィクション洋書20選
- フィクションと何が違う?ノンフィクションならではの効果・メリット
- 楽しみながら継続するコツとは?おすすめの多読学習法
この記事を書いた人
ヒラク
TOMOSU BLOG 運営者・執筆者
早稲田大学政治経済学部政治学科卒 / TOEICスコア 現在920点
【英語多読】おすすめノンフィクション洋書
ボクがあなたにおすすめしたいノンフィクション洋書は、以下の20冊です。
Essentialism
今回紹介する中で最も大きな影響を受けたのがこちらの『Essentialism』
ムダなもの・余計なものであふれている今の時代、「本質にフォーカスすること」は最強の人生戦略ではないだろうか。
仕事・お金・家庭生活。多くの問題は「ムダを抱えていること」によって引き起こされている。
本質にフォーカスすることが習慣化されれば、効率よく目標を達成することができる。
本書を通じて、自らの生活を見直し、本当に大切なことに時間とエネルギーを注げるようになった。
内容とともに、英文自体もシンプルな表現に終始している印象。多読初心者の方にも手にとってほしい1冊。
ボクはこの本をきっかけに、身の回りのモノや人間関係を見つめ直しました。
The Subtle Art of Not Giving a Bleep
こちらも非常に感銘を受けた本、『The Subtle Art of Not Giving a Bleep』
現代の人間が幸福を感じにくくなっているのはなぜなのか。
筆者はその原因をモノや情報・人間関係など、あまりもの多くのものにとらわれてしまっているからだと言う。
直接的な物言いがあるかと思えば、筆者の柔らかな人間性を感じられる言葉もあり、「書き手の息づかい」を感じられる。
スラングや俗っぽい英語表現が多く登場するが、英文レベルはやさしめ。
何度も読み返している大好きな1冊。ぜひあなたにも手にとってほしい。
“心に刺さる1冊”との出会いも多読の魅力ですね。
Originals
ボクたちひとりひとりの中に眠っているオリジナリティを目覚めさせてくれる本『Originals』
行動・チャレンジの重要性を説く一方で、現実的な方法論を提示。
オリジナリティを発揮した過去の偉人や成功を収めた大企業の具体例もあげた上で、それは普通の人間にだって可能だとする。
普通の人間が今置かれている環境の中で、自分なりのオリジナリティを生み出し、存在価値を高めていくために有益な情報ばかり。
あくまでも「現実」に根ざしている点が印象的だった。
若い人が読むのも良いけれど、ある程度年齢を重ねた方・社会人経験を積んだ方に強くおすすめしたい1冊。
ある分野でリスクをとるのであれば、別の分野ではリスクを抑える。ビジネスや投資だけでなく、私生活でも大切なことですね。
Mindset – Updated Edition
マインドセットのもたらす影響をわかりやすく提示してくれるのが、こちらの『Mindset – Updated Edition』
マインドセットをfixed(硬直)とgrowth(柔軟)の2種類に分け、それぞれの違いを説く。
単に「growth(柔軟)が良い」というだけではなく、どのようにして柔軟なマインドセットを作っていくのかといった具体策も書いてある。
人間は誰だって変わることができる。
自分のマインドセットをより良いものにしていこうという前向きな気持ちになれる本。
ノンフィクションなのに、ポジティブな気持ちで読み進められます。
Willpower Doesn’t Work
意志ではなく、環境の重要性を説く『Willpower Doesn’t Work』
自分を形作ってきたものは、内側からではなく外からやってきたものだという主張を展開。
仕事が思うように進まない。勉強がはかどらない。そんなとき見直すべきは意思や行動ではなく、環境である。
その点を認識したうえで、環境を作り上げるために戦略を持つべきだと言う。
その戦略作りのために必要な具体策も豊富に提示してくれている。
スケジューリングから人間関係にいたるまでありとあらゆる外的要素に話が及び、とても参考になった。
環境を主体的にコントロールすることが大切だなぁ。
The Coming Wave
AIの持つ力やそれによって引き起こされる事象を紹介する『The Coming Wave』
AIについては詳しくなかった分、読んでみて衝撃を受けた。
AIの持つ可能性は人類にとって大きなプラスにもなりうるし、マイナスにもなりうる。
どのような結果を生むにせよ、テクノロジーの進歩は止められない。
マイナス面への対処法に関しては筆者の苦悩も感じられる。
専門用語などが頻繁に登場するため難しめの1冊。テクノロジー・科学などの背景知識がある方はサクサク読めるかも。
「AIなんて自分には関係ない」では済まされないぞ…。
The Psychology of Money
近年数多く出版されているお金にまつわる書籍。その中でも特に高い評価を受けているのがこちらの『The Psychology of Money』
お金の知識を持たないまま大人になってしまったボクのような人間にとってはかなり得るところが多かった。
人生をよりよく生きる上でお金の問題は常に付きまとう。
本書はそうした問題から抜け出すための書。
英文もそれほど難しくなく、まだ英語力に自信のない方であってもおおおまかに理解できると思う。
英語“で”学ぶという視点で言えば、かなりおすすめの1冊。
お金をたくさん得るための方法論ではなく、お金を幸せに結びつけるための考え方・取り組み方が書いてあります。
Die With Zero
お金と人生のかかわりについて考えさせられる本『Die With Zero』
お金を貯めることではなく、使う方に焦点を当てている。
ボクは個人的に、人生で1番苦しいのは「後悔すること」だと思っている。
お金に関して後悔しない生き方とはどのようなものだろうか。
この本に書いてあることをすべて真似ることはできないけれど、お金との向き合い方を考えなおすキッカケとなる1冊。
難しい専門用語もほぼなく、多読初心者の方であっても楽しく読み進めることができるはず。
「お金は豊かな人生のための手段に過ぎない」ということを、再認識させられます。
Trillion Dollar Coach
シリコンバレーで名だたる経営者を導いた“伝説のコーチ”Bill Campbell。彼にスポットライトを当てたのが、この『Trillion Dollar Coach』
日本では組織のリーダーシップ論というくくりで紹介されることも多いけれど、ボクはもっと普遍的な本だと感じた。
周囲の人間に対する絶対的な愛情・信頼・利他の心。
対人関係全般で大切なことを教えてくれる本だと思う。
英文自体はわかりやすい印象。ノンフィクションの中では読みやすい部類に入るように感じた。
「どういう人を師として持つべきなのか」という視点でも読めます。あらゆる立場の人におすすめしたい本です。
The Infinite Game
個人的に注目している著者サイモン・シネックによる『The Infinite Game』
人生・仕事といった“終わりの見えないゲーム”をどうとらえるべきか。新たな視点を提示してくれる。
個人的には価値を提供すること、人間性を高めることの大切さを再認識させられた。
英文自体は読みやすく、この本では筆者の実体験・実例も多く登場するので、イメージをつかみやすい。
同じ著者による『Start With Why』もおすすめ。
短期的な競争ではなく、長期的な成長にフォーカスする。個人でも組織でも重要な視点ですね。
Insanely Simple
スティーブ・ジョブスのもとでアップル社の繁栄を支えた筆者による『Insanely Simple』
「Insanely Simple」という表題でわかるとおり、「シンプルさ」の効用をアップル社での実例もあげながら説く。
アップルをアップルたらしめているのは「Simple」。
個人レベルでは優秀な日本人が、組織となるとダメになってしまうのはなぜだろう。
カギは「シンプルさ」にある気もする。
ところどころ難しい部分もあったけれど、深い考察を得られる1冊だと思う。
旧日本軍、行政組織、近年の日本企業。「複雑化」によって衰退していった日本の組織と比較すると興味深いです。
Can’t Hurt Me
一人の男性の壮絶な半生をつづった『Can’t Hurt Me』
父親による虐待、人種差別、先天的な病気。
数多の試練を乗り越えてきた過程が生々しく語られている。
人生に対する向き合い方、心の持ち方、覚悟の大切さ。
自分の心の中に横たわっている弱い気持ちを鷲掴みにされる、そんな1冊。
ところどころ難しい表現もあるけれど、こういう本こそ原文のまま読むべきだと思う。
日本語というフィルターを通さず、オリジナルを味わってほしい本です!
The Obstacle is the Way
逆境を逆手にとり、成長の糧とすべきと説く『The Obstacle is the Way』
歴史上の偉人が困難を克服し、逆境をチャンスとして活用した例を示している。
不合理だらけの世の中で、不合理をチャンスととらえるか、理不尽なものとして拒絶するか。
困難の中に自分を成長させてくれる要素を見出すことは、人生において大きな違いを生み出すのではないだろうか。
英文も易しめで、哲学等の前提知識が無くても読みやすいと思う。
著者のライアン・ホリデイ氏はストイシズムの教えなどをYouTube等でも発信しています。
Stop Overthinking
不安やストレスについて書かれた本『Stop Overthinking』
不安感との向き合い方を心理学的に指示して終わりではなく、具体的な解消方法を知ることができる。
あれこれ必要以上に考えてしまうことが悪いことだとはわかっていても、そこから抜け出す方法についてまとめた本は多くない。
理論ではなく、実践にフォーカスしている点が特徴。
amazonのレビューでも星4.5の高評価を得ている。
英文も易しめでサクッと読めちゃう。
不安を文字に書き起こすと良い…、ふむふむ。
Don’t Believe Everything You Think
考えることの弊害を説く書『Don’t Believe Everything You Think』
人間が幸せなときって何にも考えていない。あれこれ考え始めると不安やストレスに襲われる。
考えるのをやめ、思考に“余白”を作れば、自然と幸福感が湧いてくる。
子供のときがそう。なーんにも考えてなかったけれど、何となく幸せだった、楽しかった。
人間って空っぽでいる方が幸せだし、自然な姿なのだと気づかされる。
英文も易しめでボリュームも少なめ。読みやすい1冊。
スピリチュアル系ではなく、しっかりと論理的なアプローチをしている本です。
Factfulness
世界の本当の姿を教えてくれるのが、こちらの『Factfulness』
マスコミは連日世の中の悪い部分を切り取って、今の世の中が悪化の一途をたどっているかのような情報を流している。
そのおかげで、それを受け取る庶民の世の中に対する見方は悲観的になる一方。
著者はそうした現状を憂えたうえで、数字・データで見る世界はより良くなっていると言う。
自分がいかに世界の現状を知らなかったか・誤って認識していたかを思い知らされた。
普段たくさんの情報に接する人ほど、この本を手にとってほしい。
英文も易しめだし、筆者の日常描写もあったりして楽しく読めちゃう。
What Money Can’t Buy
日本でもおなじみ、マイケル・J・サンデル氏による『What Money Can’t Buy』
現在の資本主義の問題点を浮き彫りにし、倫理的な側面から問いを投げかける。
生命保険を使ったビジネスの事例など、人の命までもが金儲けの対象となっていることなど、ショッキングなことも書いてある。
資本主義は来るところまで来てしまったのではないか、と感じる。
なかなか難しい表現もあり、テーマと相まって読み応えのある1冊。
個人レベルでは「消費社会との距離感」を見つめ直すべきだと感じました。
Learn Better
「より良い学び」について徹底的に掘り下げているのがこちらの『Learn Better』
学びのプロセスにおいて壁にぶつかったとき、なかなか成長を感じられないときにどう対処すべきか。
さらに実際の学び方についてかなり具体的に提示している印象。
それらすべての根拠が明確で、再現性が高い。
英語学習ブログ運営者として、また一人の英語学習者として、かなり得るところが大きかった。
英文はやや難しめといった印象。
そもそも何を学ぶべきか、何を目的にすべきかという点から話が展開していきます。
Sapiens
人類誕生以来の歴史を圧倒的なスケール感で紐解く『Sapiens』
人類が地球上の生物の頂点に立てたのはなぜなのか。人類は果たして幸せな生き物なのか。
人類がたどってきた足跡を流れとしておおまかに知っていても、それらに対する著者の視点・洞察には驚かされるはず。
個人的にはまだまだ英語力・知識量が不足していて理解の及ばない部分もあったけど、かなり知的好奇心を刺激された1冊。
少しずつ理解を深めていきたい本。
歴史好きでなくとも楽しめる本だと思います。チャレンジする価値のある1冊。
UPHEAVAL
国家の危機・変革に焦点を当てて書かれた書『UPHEAVAL』
本書ではまず著者が自ら経験した危機を通じて、危機を乗り越えるために必要な条件を列挙する。
それを過去に起きた国家レベルの事件・危機に当てはめ、検証していくという展開。
西欧列強という危機にさらされた日本も登場する。
世界史の中で散発的に起きた事例を取り上げ、上記の条件に収斂していくという手法は興味深い。
英文も比較的平易で読みやすいと思う。
政治は理念ではなく現実に根ざしたものなのだということを痛感します。
※初学者の方におすすめの洋書については、以下の記事にまとめています。
【英語多読】ノンフィクションを読むことで得られる効果・メリット
ボクがノンフィクションを読んで感じた効果・メリットは、以下の3つです。
効率的に英語脳になれる
メリットの1つ目として「効率的に英語脳になれる」という点があげられます。
ノンフィクションとフィクションの大きな違いとして、書き言葉・話し言葉の分量の違いがあります。
当然ノンフィクションは書き言葉が中心であり、フィクションは話し言葉が多くなります。
「英語脳」の解釈についてはそれぞれあるでしょうが、ボクは英語脳とは「英語をその構造のまま理解する力」だと思っています。
英語を日本語という別の構造に置き換えることなく、英語のオリジナルの構造のまま理解するためのOS(オペレーティングシステム)が「英語脳」なのです。
そのOS=英語脳を効率よく構築していくのに最適なのは、書き言葉メインのノンフィクションです。
ノンフィクションは書き言葉メインというその性質上、しっかりとした構文をもとに英文が書かれています。
英語脳は英語の構造をそのまま理解する力だと言いました。
ですので効率よく英語脳を育てていくには、英語の構造がしっかりした英文に触れることが効果的なのです。
フィクションは話し言葉の割合が多く、また構文を崩した表現も多く登場します。
さらにフィクションは間接的な表現を用いることで読者のイメージで補完する部分もあり、英語力以外の要素もからんできます。
口語表現を学んだり日常英会話につなげたりする意味ではフィクションを読むことも効果的ですが、英語脳を育てる・純粋な英語力を高めるという意味ではノンフィクションの方がよいと言えます。
英語脳は英会話を含む英語4技能のベースとなるものなので、ノンフィクションを通じて土台を作ることがより効率的なのではないでしょうか。
多読だけでなく、音読でもノンフィクションの方が効果的だと思います!
どんな学習法であれ、まずはノンフィクションから取り組むのがいいわけですね!
資格試験に必要な読解力が手に入る
メリットの2つ目としては「資格試験に必要な読解力が手に入る」ということがあげられます。
資格試験と言っても、大学受験・TOEIC・英検と様々ですが、共通点をあげるならば「ノンフィクションジャンルの英文が出題されやすい」という点があります。
資格試験の最大の目的は、「受験者の英語力を問う」ということです。
先ほども触れましたが、「純粋な英語力を測る」という意味ではノンフィクションの方が題材として適しています。
出題者としては、ネイティブならではの表現やスラングのような細かい知識よりも英語の基礎ができているかどうかを問いたいわけです。
そのためにしっかりとした構文で構成される問題を多く出題するのでしょう。
ですのでこうした試験を念頭に英語学習に取り組むのであれば、普段からノンフィクションの英文に触れておくことが効果的です。
ボク自身、同じ英文であってもフィクション・ノンフィクションのもたらす効果の違いを感じます。
同じ筋トレであっても、トレーニングの内容によって上半身が鍛えられるもの・下半身が鍛えられるものがあります。
それぞれのもたらす効果をあらかじめ意識しておいて、TOEIC対策に取り組んでいるときにはノンフィクション、実用的な英語力を身につけたいときにはフィクションといった感じで使い分けるのが良いのではないでしょうか。
筋トレ以外にいいたとえ無かったのかな…。
1週間あれこれ考えたんですけど、これしか思い浮かばなかったんです…。
仕事や日常生活にフィードバックが得られる・実益がある
3つ目のメリットとしては「仕事や日常生活にフィードバックが得られる・実益がある」ということがあります。
ノンフィクションを読むことのメリットで1番大きな点がこれではないでしょうか。
多読を通じて英語力を高めつつ、実生活に使える知識やアイデアも得ることができるのがノンフィクションを読むことの大きなメリットでしょう。
ビジネス書は仕事に役立つ知識を与えてくれますし、自己啓発書は日々の生活をポジティブに変えてくれる効果もたらします。
そうした効果はフィクションに比べ、「直接的で即効性がある」と言えます。
英語という「道具」を寝かしておくのではなく、知識を得るために活用する。そして知識を得る過程で、英語という「道具」もより洗練されていく。
ノンフィクションの多読は英語力アップと知識量アップの相乗効果をもたらす、一石二鳥なアプローチだと思います。
学生時代は「道具」をそろえることしか考えてなかったなぁ。
多読って「道具」を使いこなせるだけではなく、「道具」を進化させる効果もありますね!
【英語多読】おすすめの取り組み方
多読においておすすめの取り組み方は、以下の3つです。
「英語“を”学ぶ」ではなく「英語“で”学ぶ」
あなたにおすすめしたい取り組み方の1つ目として「『英語“を”学ぶ』ではなく『英語“で”学ぶ』」ということがあげられます。
これは脳科学者としておなじみの茂木健一郎さんが英語の多読に取り組む方に推奨しているやり方です。
英語力アップの方ではなく、知識を深める方にフォーカスすると言えばよいでしょうか。
日本の教育ではとにかく「英語“を”学ぶ」に焦点を当てています。
英語力のために味気ない英文を読まされ、それをさらに文法という味気ないもので解釈していきますよね。
「英語“で”学ぶ」はそうした学習スタイルからの脱却です。
英語を目的とするのではなく手段として使い、学び本来の「知識を得る」という点を重視します。
先ほど話したように、その過程で英語という「道具」も洗練されていきます。相乗効果が期待できるわけです。
「英語“で”学ぶ」は従来の日本式英語教育とは異なるアプローチなので、多くの人にとって意識を切り替える必要があると思います。
多読の素材を選ぶときにも、「自分の英語レベルに合わせる」という選び方ではなく、「自分の学びたいジャンルの本を探す」という方法に転換することをおすすめします。
自分の英語レベルよりも難しい本であっても、興味があればどんどんチャレンジしていく。コンフォートゾーンから飛び出す。
そのような能動的な姿勢が、多読をさらに効果的にしてくれるはずです。
レベルを重視する日本式教育で日本人の英語力が上がっているわけではないですからね。
理解できない単語・英文があってもいいんです。ガンガン難しい本にチャレンジしましょう!
コストを抑える
多読にはたくさんのメリットがありますが、その一方でネックとなるのが「コスト」ですよね。
【多読=たくさん読む】なので、どうしてもある程度のコストはかかってしまいます。
長期的に多読に取り組むためにはコストを抑えることも必要になってくるでしょう。
ボクは多読の素材を選ぶときには、「自分の興味があるもの」「評価の高いもの」を手にとるようにしています。
そうした基準で絞り込んだ選択肢を実際に探すときには、順番として①図書館→②kindle unlimited→③個別購入の順で探していきます。
やはり図書館は無料ですし、まずはじめにリサーチすべき場所でしょう。
ただ図書館での洋書のラインナップは多くの自治体でそれほど多くはありませんし、人気のある洋書は常に貸出中で読む機会が限られるケースも多々あります。
定額で読み放題のサブスク、例えばkindle unlimitedも同じような問題があります。
低価格でたくさんの洋書を読めますが、必ずしも自分の読みたい本を取り扱っているわけではありません。
まずは図書館・kindle unlimitedで探してみて、それでも無かった場合には個別購入という流れになるでしょう。
個別購入にしても、紙媒体と電子書籍では価格に差があります。多くの場合は電子書籍の方がお得ですよね。
コストを抑えるために、少しでも負担の少ない手段を選ぶことをおすすめします。
コスト面で考えると、図書館やサブスクを使わない手はありませんね。
近くの図書館でどのような洋書を扱っているのか、あらかじめ把握しておくとよいかもしれません。
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多読を多聴とかけ合わせる
英語力を高めるうえで、【多読×多聴】という組み合わせが効果的なのはよく知られています。
20カ国語を話すことができるというスティーブ・カウフマンさんは、「語学学習の王道は多読多聴である」と話しています。
ボクは①「読む」が好きであること、②なかなか「聴く」の方にコスト・時間を割けないこと、などの理由でまだ「多聴」の方には十分に取り組めていません。
ボクが取り組んでいるのは「多読の中で見つけたお気に入りを“聴く”」というアプローチです。
普段の多読で「これはイイ!」と思った本のオーディブル版を購入し、スキマ時間に聴いています。
耳で聴くことによって、自分の好きな本のコトバが体の奥に浸透していくような感覚があります。
ノンフィクションであれば英語という言葉や筆者の伝えたいことが体内に落とし込まれる感覚といえばよいでしょうか。
ですので逆に言えば、「もっと深いところまで理解したい」と思う本だけをオーディブルで購入するわけです。
コストや時間の制限もあるので、「読む」と「聴く」の好きな方を土台にしつつ、ベストバランスを探るとよいのではないでしょうか。
「聴く」は散歩しながらや家事しながらなど、「ながら学習」ができるのがメリットですね。
自分のライフスタイルや学習目的に合わせて、「読む」「聴く」をかけ合わせていこう!
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まとめ:自分の“好き”を読む
いかがだったでしょうか。
多読に取り組むあなたにおすすめしたいノンフィクション書籍を紹介しました。
初めにお伝えした通り、この記事で紹介したのは「ボクが興味をもって読んだ本の中で、特におもしろかったもの」です。
学びの本質は「自分が興味のある分野を、自分の好きな素材で学ぶ」ということにあると思います。
そして多読の良さは「濫読OK」ということです。
通常の学習であれば学習対象に手あたり次第に手を出すことは良いことではありませんが、多読ではそれが許されます。
ちょっとでも興味を惹かれたら手を伸ばしてみて、つまらなかったらやめてしまえばいいのです。
あくまでも大切なのは「自分の“好き”を優先する」という点です。
くりかえしになりますが、自分の“好き”を明確にして能動的に多読に取り組むことで、より楽しく、より効果的な学びとなることでしょう。
上にあげた20冊の中に、あなたの“好き”を刺激する1冊はあったでしょうか。
この記事があなたの“多読ライフ”にとって、少しでも役に立つものであったならとてもうれしく思います。
文字数の多い記事となってしまいました。最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。