【厳選】ノンフィクションで英語力&教養アップ!多読におすすめの 15 冊

今回は、主に多読初心者(~中級者)の方におすすめの洋書(ノンフィクション)を、個人的な読書遍歴の中から 15 冊ピックアップしてみました。

選ぶうえで基準にしたのは、以下の3つのポイントです。

  • 【 難易度 】:初心者でも(おおまかに)理解しながら読み進めることができる
  • 【 面白さ 】:大人が読んでも楽しめる内容で、読みごたえがある
  • 【 学習効果 】:英語力アップに結び付く要素がある

3つのポイントで、最も重視したのは【 面白さ 】です。

初心者向けだからと言って、ただ簡単な本を羅列するのではなく、しっかりとおもしろさ・読みごたえを感じられるものをチョイスしました。

なお、この記事ではノンフィクションジャンルのうち、ボクが主に読んできた5つのカテゴリー(【自己啓発】【ライフスタイル】【エッセイ / 回想録】【社会 / 経済】【歴史】)から3冊ずつ選んでいます。

個人の読書歴からのおすすめなので、ボクの趣味嗜好が多少(思いっきり?)反映されていますが、その分ハマる人にはハマるのではないかと思います。

おすすめ本の紹介に加えて、記事の最後では「ノンフィクションの多読以外での活用法」についてもまとめています。

よければ、最後までご覧ください。

アシスタント

この記事では、以下のような情報を知ることができます。

  • 多読初心者におすすめ!ノンフィクションジャンルの洋書
  • それぞれの洋書の内容・難易度・おすすめポイント
  • 英語学習におけるノンフィクションの活用法

この記事を書いた人

ヒラク

TOMOSU BLOG 運営者・執筆者

早稲田大学政治経済学部政治学科卒 / 現在TOEIC920点

👉 多読初心者の方におすすめの小説・フィクションはこちら!

目次

英語多読に最適!おすすめノンフィクション 15 選

あなたにおすすめしたいのは、以下の 15 冊です。★の数はボクが感じた英文難易度を表します。

個人的に多読では「自分の英語力より少しだけ上のレベルの本を読む」ということが大切だと感じています。

ですので、難易度は参考程度に考え、あなたの「読みたい」を刺激する1冊 を手にとってみてください。

★☆☆☆☆
★★☆☆☆
★★★☆☆
★★★★☆

Who Moved My Cheese?

著者 ▶ スペンサー・ジョンソン

肩書 ▶ 心理学者 / 医学博士

分量 ▶ 96ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 自己啓発

難度 ▶ ★☆☆☆☆

初版 ▶ 1998年

評価 ▶ ☆ 4.4(amazon)

📌 内容・特徴

迷路の中に住む 2匹のネズミ(SniffとScurry)2人の小人(HemとHaw)の物語を通じて、「変化への適応の重要性」を説く寓話的な自己啓発書。

キャラクターは変化に対し、それぞれ異なる反応を示し、読者は自分がどのタイプに近いかを考えさせられる。

簡単なストーリーテリング形式で、読みやすく実践的。多読初心者にも親しみやすい。

英文自体は易しいが、変化に対するマインドセット を学ぶことができる。

📌 ここがおすすめ!

語彙・英文ともに易しめ
→ シンプルな文章で書かれており、ビジネス書にありがちな難解な概念もない。

深いテーマを、寓話形式で読める
→ 邦訳版もベストセラーとなったように、大人でも学びの多い内容。

100 ページ程度のコンパクトさ
→ 多読初心者でも、通読しやすいボリューム。

物語形式で記憶に残りやすい
→ 概念や教訓を、キャラクターの行動を通じて理解できる。

具体的なワードが多用されている
→ 「迷路」「チーズ」などの視覚的なイメージを持ちやすい単語が多く、理解を助ける。

ヒラク

かつて日本国内でも邦訳版がベストセラーになりました。

とある英語学習者

変化の波が大きくなった今こそ、読むべき本かもしれませんね。

▶ 日本語訳『チーズはどこへ消えた?』 (扶桑社BOOKS)はこちら

Shoe Dog (Young Readers Edition)

著者 ▶ フィル・ナイト

肩書 ▶ 実業家

分量 ▶ 304ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 伝記(自伝)

難度 ▶ ★☆☆☆☆

初版 ▶ 2016年

評価 ▶ ☆ 4.6 (amazon)

📌 内容・特徴

著者が 1962 年に 50 ドルを元手に「ブルーリボンスポーツ」という会社を創業し、世界的大企業「ナイキ」に育て上げるまでを自らの言葉で語る。

日本のオニツカタイガー(現アシックス)の靴を輸入・販売していたが、オニツカとの関係が悪化し、自社ブランド「ナイキ」を起ち上げ。

会社の急成長や資金不足による経営危機などを経て、1980年の株式上場にいたるまでが描かれる。

本書は通常版を簡略化し、若い読者向けに編集し直したもの。

ゼロから大成功を収めた著者の言葉は、挑戦・成長を志す人の心に響く言葉が多く、読者からも高い評価を得ている。

📌 ここがおすすめ!

簡単な英語でナイキの成功物語を楽しめる
→ 文が短く、シンプル。また難しい語彙が少なく、日常的な単語に置き換えられている。

物語が面白く、先が気になる
→ 著者は成功だけでなく、失敗も包み隠さず話している。挑戦と失敗を繰り返しながら成長するストーリーがおもしろい。

挫折しにくい適度なボリューム
→ 文章がシンプルになり、内容もスリム化されているため、読み終えやすい

実用的な英語表現が学べる
→ 通常版はビジネス英語が多用されているが、本書は日常的な英語表現が多く使われている。

ビジネス書の多読へのステップアップになる
→ ストーリー性のあるノンフィクションなので、ビジネス書へ進むための良いステップになる。

ヒラク

本書は、通常版から金融・財務の話がカットされていて、初心者でも読みやすくなっています。

とある英語学習者

ナイキって日本との関わりが深い会社なんだ…。日本人目線でも楽しめる内容ですね。

▶ 日本語版『SHOE DOG』(東洋経済新報社)はこちら

The Boy Who Harnessed the Wind (Young Readers Edition)

著者 ▶ ウィリアム・カムクワンバ

肩書 ▶ 発明家

分量 ▶ 304ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 社会(貧困・開発)

難度 ▶ ★☆☆☆☆

初版 ▶ 2010年

評価 ▶ ☆ 4.7 (amazon)

📌 内容・特徴

本書は、困難に直面しながらも夢を追い続けた一人の少年の実話。「学ぶことが未来を変える」ことを伝える感動的な一冊である。

貧しい農村で生まれ育った ウィリアム は、故郷を襲った深刻な干ばつと飢饉により、学校に通うことができなくなるが、学ぶことを諦めず、地元の図書館で科学の本を読み始める。

その中で 風力発電 の仕組みを知り、家族の生活を改善するために風車を作ることを決意。試行錯誤の末、ついに彼は電力を生み出す風車を完成させ、家に明かりを灯すことに成功する。

この驚くべき発明はやがて世界的に注目を浴びることに。彼の物語は世界中に広まり、発展途上国における 教育と技術の可能性 を示す象徴的な出来事となった。

📌 ここがおすすめ!

文章が簡潔でわかりやすい
→ 専門用語や複雑な構文が省略・簡略化されているため、初心者でもストレスなく読み進められる。

物語性が強く、先が気になる展開
→ 主人公の成長物語はドラマチックで、次に何が起こるのか気になり自然と読み進めたくなる。

さまざまな英語表現がバランスよく
→ 日常会話や基本的な英語表現が多く登場。リーディングスキルを磨くのに適している。

モチベーションが上がる内容
→ 学ぶことの重要性が描かれている。ボクたち英語学習者にとって、大きな励みになる内容。

映画版もあり、内容を視覚的に理解しやすい
→ 物語の背景や文化的な要素が映像でも理解できる。

ヒラク

本書は通常版に比べ、単語も構文もシンプルなもの(主語+動詞だけとか)が多い印象でした。

とある英語学習者

英文だけでなく、ストーリーがシンプルでわかりやすい点も初心者向き!

▶ 日本語訳『風をつかまえた少年 14歳だったぼくはたったひとりで風力発電をつくった』(文春文庫)はこちら

Tuesdays with Morrie

著者 ▶ ミッチ・アルボム

肩書 ▶ 作家 / 脚本家

分量 ▶ 224ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ ノンフィクション / 自伝

難度 ▶ ★★☆☆☆

初版 ▶ 1997年

評価 ▶ ☆ 4.7(amazon)

📌 内容・特徴

著者が大学時代の恩師であった モリー・シュワルツ教授 と再会し、彼の死に至るまでの1年間、毎週火曜日に行った “最期の授業” をもとにした回顧録。

モリー先生は ALS(筋萎縮性側索硬化症)という病に侵されており、死を間近にした彼が語る、人生についての深い教訓や哲学的な対話 が描かれている。

モリー先生が語る 人生の意味、死、愛、人間関係 についての考え方は、実際の出来事とともに綴られていて、深い感銘を与える。

📌 ここがおすすめ!

シンプルで感動的な言葉
→ 難解な語彙や複雑な文構造はほとんど使われておらず、基本的な日常会話のような言葉が多い。

短めの章で読みやすい
→ 各章は短く、1つのテーマに焦点を当てているため、忙しい方でも読み進めやすい。

深いテーマで学びが多い
→ 死、愛、家族、仕事といった普遍的なテーマを取り扱っており、多くのことを考えさせられる。

幅広い読者に適している
→ 英文の読みやすさと普遍的なテーマ性により、読者層を選ばない。

心地よい読後感
→ 単なる知識を得るための本ではなく、感動的な物語を読み終えたときのような読後感を味わえる。

ヒラク

モリー先生の飾らない言葉ひとつひとつが、スッと胸に入ってきます。

とある英語学習者

英語と日本語の壁を感じることなく、読み進められますね。

Stop Overthinking

著者 ▶ ニック・トレントン

肩書 ▶ 作家

分量 ▶ 200ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 自己啓発(メンタルヘルス)

難度 ▶ ★★☆☆☆

初版 ▶ 2021年

評価 ▶ ☆ 4.5(amazon)

📌 内容・特徴

過剰な思考をコントロールし、ストレスを減らす方法がテーマ。

「考えすぎ」の原因・影響・対策について、具体的な マインドセットの切り替え方実践的なテクニック を解説。

完璧主義・優柔不断に対する処方箋 が、かなりロジカルに、実践的に書かれていると感じた。

📌 ここがおすすめ!

シンプルな文章構造
→ 全体を通して易しめの単語・構文で書かれており、多読初心者向き。

語りかけるような文体
→ 読者に向けて語りかけるような調子で書かれているため、読みやすい。

スピリチュアル本ではなく、実践書
→ 「考えすぎ」を真正面から論理的に捉え、対策も具体的に語られている。

各章が短くまとめられている
→ 1章が短く、内容が完結しているので、少しずつ読み進めることができる。

英語×自己啓発
→ 多読初心者&ついつい考えすぎてしまう・不安感が強い方にはかなりおすすめの書。

ヒラク

「考えることが問題解決につながっているというのは錯覚にすぎない」という一文は印象的でした。

とある英語学習者

リラックス法の説明では、姿勢・自分への語りかけ・時間など、かなり具体的に提示しています。

The Sense of Wonder

著者 ▶ レイチェル・カーソン

肩書 ▶ 生物学者

分量 ▶ 112ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ エッセイ

難度 ▶ ★★☆☆☆

初版 ▶ 1965年

評価 ▶ ☆ 4.6 (amazon)

📌 内容・特徴

著者の レイチェル・カーソン が、甥の ロジャー と一緒に自然を観察しながら、子どもが持つ自然への好奇心を大人も持ち続けることが大切だというメッセージ をつづったエッセイ。

「環境保護」や「生態系の危機」を直接訴えるものではなく、「自然を愛する心を育てること」が環境を守る第一歩だと伝えている。

彼女は、著書『Silent Spring(沈黙の春)』において、農薬が環境に及ぼす有害な影響に触れたことから、環境保護活動の旗振り役として知られる。

また彼女の著作はその 美しい文体 でも知られていて、没後 50 年以上が経つ現在でも多くの読者を魅了している。

📌 ここがおすすめ!

多読初心者でもサクサク読める内容・分量
→ 100ページ程度のボリューム。写真がふんだんに掲載されていることもあり、サクサク読める。

詩的で美しい文章が多い
→ ハッとさせられるような美しい英文が多い。英語の美しさに触れることができる。

音読に最適な英文素材
→ 声に出して読みたくなる英文。多読のみならず、音読学習にも応用できる。

サブスク(kindle unlimited)で読める
→ これほどの良書が kindle unlimited で定額で読めてしまう。

「本当に大切なもの」について考えさせられる。
→ 個人的に、【 「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない 】という言葉が印象的だった。

ヒラク

物語を読み終えたときのような心地よい余韻を味わうことができます。

とある英語学習者

何度も繰り返し読みたい1冊ですね。

▶ こちらの本は kindle unlimited で読むことができます。初回無料体験はこちら

▶ 日本語訳『センス・オブ・ワンダー』(新潮文庫)はこちら

The Psychology of Money

著者 ▶ モーガン・ハウセル

肩書 ▶ 投資家 / 作家

分量 ▶ 242ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ ファイナンス / 行動経済学

難度 ▶ ★★★☆☆

初版 ▶ 2020年

評価 ▶ ☆ 4.6(amazon)

📌 内容・特徴

「お金に関する心理」をテーマにした本で、投資や財産管理に関する知識よりも、「お金に対する考え方や行動」 を深く掘り下げている。

著者は「お金持ち=賢い」ではなく、「お金持ち=適切な行動を取った人」と考えているのが特徴。

金融や投資について深く知りたい方よりも、自己の行動や価値観を見つめ直したい と考えている方におすすめの内容となっている。

「お金持ちになること」と「お金持ちに見られること」の差が強調されていて、日本的な「足るを知る」という記述が目立つように感じた。

📌 ここがおすすめ!

短い文章が多く、構文がシンプル
→ お金関係の中では読みやすい部類に入る。

短い章とコンパクトな内容
→ 19の短い章で構成されていて、1章が比較的短い。すこしずつ読みやすい長さ。

具体例が豊富で理解しやすい
→ ウォーレン・バフェットのエピソードなど具体例に富む。その分、一部冗長に感じる部分もあった。

お金の本というよりは「哲学書」
→ 「富とは目に見えないものである」という主張など、哲学的な内容を含む。

経済的自由と幸福の関係
→ 幸福をもたらすのは、お金そのものではなく、お金の使い方であるという内容。

ヒラク

「朝目覚めたときに、『今日は自分のやりたいことができる』と言えることが最も幸せなことだ」っていう一文が印象的でした。

とある英語学習者

お金や消費社会との距離感を見つめ直すうえで、ぜひ読んでおきたい1冊ですね!

▶ 日本語版『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』(ダイヤモンド社)はこちら

Digital Minimalism

著者 ▶ カル・ニューポート

肩書 ▶ 科学者 / 作家

分量 ▶ 304ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ ライフスタイル(生産性)

難度 ▶ ★★★☆☆

初版 ▶ 2019年

評価 ▶ ☆ 4.5 (amazon)

📌 内容・特徴

スマートフォンやSNSに依存せず、より充実した人生を送るための方法を提案する「デジタル・ミニマリズム」 という考え方を解説する内容。

デジタル・ミニマリズムの実践方法やメリットについて、スティーブ・ジョブズらのエピソードを引用しながら、より現実的なアドバイスをしている。

「テクノロジーから離れるのではなく、それをどう使うかの戦略が必要だ」という言葉に、その現実的な視点が現れている。

著者自身、SNS を使用しておらず、デジタルミニマリズムの思想を徹底していることもあり、説得力のある内容。

📌 ここがおすすめ!

論理的で明確な英語表現
→ 一部、学術的な単語や抽象的な概念を含むため、ややチャレンジングなレベル。

ビジネス・アカデミック寄りの表現
→ 日常的な英語は少なめ。ビジネス書の読みごたえを感じられる文体。

デジタルデトックスの具体的な方法がわかる
→ ステップごとに手順を解説していてわかりやすい。

生活の改善につながる
→ デジタル・デトックスを目的ではなく、手段ととらえているのが特徴。スマホを手放す代わりに、「リアルな活動」を増やすことにつながる。

「人とのつながり」を見直せる
→ SNSによって、本当の意味での「人間関係の質」は低下していると指摘。デジタルを減らすことで、リアルな人間関係を見直す契機となる。

ヒラク

デジタルとの向き合い方について考えることは、今の時代、誰にとっても必要なことですね。

とある英語学習者

確かに。気づいたらスマホいじってるんだよなぁ…。

▶ 日本語版『デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する』(早川書房)はこちら

Essentialism

著者 ▶ グレッグ・マキューン

肩書 ▶ 作家

分量 ▶ 288ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ ビジネス / 自己啓発

難度 ▶ ★★★☆☆

初版 ▶ 2014年

評価 ▶ ☆ 4.5(amazon)

📌 内容・特徴

単なる時間管理術ではなく、人生の優先順位を明確にし、本当に大事なことに集中するための方法を教えてくれる本。

「この仕事やタスクは、本当に自分にとって価値があるのか?」と常に問い続けること、必要のない仕事や付き合いに「NO」を突き付けること。

生活において大切なのは「増やす」ことではなく、「減らす」こと だと主張する。

99 %のものを捨て、1 %の本当に重要なものに集中するための戦略を学ぶことができ、日々の生活を見直すことにつながる。

📌 ここがおすすめ!

文章がシンプルでわかりやすい
→ 文章が短く、構文もシンプル。ただし、抽象的概念がテーマなので、考えながら読む必要がある。

キーワードが繰り返される
→ 「Essential」「focus」といった重要ワードを押さえておけば、初心者でも理解しやすい。

章ごとにまとまったテーマがある
→ 構成がテーマごとに分かれており、少しずつ読み進めることも可能。

現代的なテーマ
→ モノ・情報・人間関係など、あらゆるモノであふれている現代において役立つ情報ばかり。

自分の軸を持つことにつながる
→ 「多い方がいい」という固定観念から解放されることで、世間の常識に流されなくなる。

ヒラク

今回紹介する本の中でもっとも大きな影響を受けたのが本書。

アシスタント

多読教材としてもいいですが、それ以上に人生の指南書としておすすめです!

▶ 日本語訳『エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする』(かんき出版 )はこちら

The Subtle Art of Not Giving a F*ck

著者 ▶ マーク・マンソン

肩書 ▶ 作家

分量 ▶ 212ページ(kindle版)

分類 ▶ 自己啓発

難度 ▶ ★★★☆☆

初版 ▶ 2016年

評価 ▶ ☆ 4.5(amazon)

📌 内容・特徴

個人的に今回紹介する中で一番読み込んでいる本。自己啓発書の中では異色の存在ともいえるかもしれない。

著者は、過剰なポジティブ思考や「成功しなければならない」というプレッシャーに対し、もっと現実的なアプローチをとるべきだ と主張する。

「すべてのことを気にしなくていい」「人生には苦しみがあるのが当然。その中でどの苦しみを選ぶかが大切」といったメッセージが、温かみのある言葉で語られている印象。

科学的な研究を取り入れつつも、フツーの真面目な自己啓発書とは異なり、カジュアルで語りかけるような調子で書かれている。

📌 ここがおすすめ!

口語表現が多い
→ 実際の会話でよく使われるスラングやフレーズが多いので、英語の「生きた表現」を学べる。

ユーモアがあるので飽きずに読める
→ 皮肉やジョークが多いため、真面目な自己啓発書よりも気軽に読める。

各章が独立しているので、途中で止めても理解しやすい
→ 1つのテーマが短い章ごとに完結するので、スキマ時間で少しずつ読める。

心に残る英語表現と出会える
→ 個人的な見解だけど、心に刺さる言葉がたくさんあった。

一味違う本を探している方にはピッタリ
→ ポジティブ思考の押し付けではなく、現実的なアドバイスを得られる。

ヒラク

刺さる言葉のひとつを紹介します。「Who you are is defined by what you’re willing to struggle for.」

とある英語学習者

「君が何者であるかは、どんな困難に進んで立ち向かうのかによって決まるんだ」。筆者の息づかいが感じられるステキな言葉ですね。

Factfulness

著者 ▶ ハンス・ロスリング

肩書 ▶ 医師

分量 ▶ 352ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ データ分析

難度 ▶ ★★★☆☆

初版 ▶ 2018年

評価 ▶ ☆ 4.5(amazon)

📌 内容・特徴

「世界は思っているよりずっと良くなっている」という事実を、データに基づいて示す本。

著者は、世界の貧困・教育・健康・人口などの統計データを使い、人々が より正確な視点を持つこと の重要性を説く。

人々が世界を間違って理解する原因となる 10 の思い込みのクセ(認知バイアス)を紹介したうえで、それに対する正しい視点を列挙。

世界の現状を客観的に理解することで、不要な悲観や誤解を減らし、冷静な判断ができるようになる。

📌 ここがおすすめ!

専門用語や難解な学説は、ほとんど登場しない
→ 難しい専門用語を避け、一般の読者にも理解しやすい表現が使われている。

短い章立てで、少しずつ読める
→「10 の思い込みのクセ」ごとに章が分かれているため、一気に読まなくても理解しやすい。

データが豊富で、客観的に世界を理解できる
→ 数字をもとに世界の実態を解説しているため、「論理的な英語」に触れることができる。

世界を「事実に基づいて見る」視点が身につく
→ 読解力だけでなく、批判的思考(クリティカル・シンキング)の力も鍛えられる。

データ本でありながら、ポジティブな気持ちで読める
→ 世界はよくなっているという主張のほか、著者の家族エピソードなどもあり、ほっこりした気持ちになれる。

ヒラク

残念ながら、著者はこの本の刊行直前にガンにより亡くなっています。

とある英語学習者

医師として、自らの目で現場を見続けた筆者の言葉には説得力がありますね。

▶ 日本語訳『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』(日経BP)はこちら

A Little History of the World

著者 ▶ エルンスト・ゴンブリッチ

肩書 ▶ 美術史家

分量 ▶ 304ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 歴史(世界史)

難度 ▶ ★★★☆☆

初版 ▶ 1935年(英訳版は2005年)

評価 ▶ ☆ 4.5(amazon)

📌 内容・特徴

エピソード形式で、世界史をストーリーとして展開しており、難しい専門的な用語や難解な理論を避け、歴史の大まかな流れをシンプルに解説している。

世界史の入門書 という位置づけながら、大人にも十分に興味深い内容となっているのが特徴。

紀元前の古代文明から20世紀初頭までの歴史的出来事や人物を紹介していて、特に人間の営み、文化、戦争、発展などのテーマ がメインとなっている。

📌 ここがおすすめ!

シンプルで親しみやすい文体
→ 難解な言葉を避け、分かりやすい表現が多いため、英語力に不安のある人も読みやすい。

物語形式の展開
→ 歴史的事象の背景や影響がエピソードとして語られているので、理解しやすい。

1章ごとのテーマが完結している
→ 各章が短め、1章につき1つのテーマなので、スキマ時間でも読める。

歴史学習の入り口として最適
→ 大まかな流れを、簡単な英語で学べるので、他の歴史書に応用できる。

豆知識的な情報もチラホラ
→ 歴史の流れを概観する視点で書かれているが、ところどころに細かい情報もちりばめられている。

ヒラク

筆者はユダヤ人。第二次大戦前にイギリスに渡り、大戦中はBBCの特派員として活動しました。

とある英語学習者

ユダヤ人の視点から描かれる大戦やホロコーストは重みを感じますね。

▶ 日本語訳『若い読者のための世界史』 (中公文庫)はこちら

Humans: A Brief History of How We F*cked It All Up

著者 ▶ トム・フィリップス

肩書 ▶ 作家 / ジャーナリスト

分量 ▶ 304ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 歴史(人類史)

難度 ▶ ★★★☆☆

初版 ▶ 2018年

評価 ▶ ☆ 4.4 (amazon)

📌 内容・特徴

「人類の歴史は、壮大な失敗の連続である」という視点から、過去の愚かな判断や悲惨なミスをユーモラスに描く。

王や政治家だけでなく、科学者、探検家、軍人、起業家など、さまざまな立場の人々が犯した「笑えないけど笑える」失敗を次々と紹介。

人間は 合理的な生き物ではなく、驚くほど愚かな決断を繰り返す生き物 であるという事実を楽しく学ぶことができる。

愚かでありながらも生き延びてきたことを考えると、どこか希望を感じさせる内容で、楽しく読むことができた。

📌 ここがおすすめ!

カジュアルなスラングやユーモア表現が多い
→ 比喩や皮肉が頻繁に登場するため、直訳ではなく意味を理解しながら読む力を養える。

テンポが良くて飽きない
→ ジョークが多く、テンポの良い文章でどんどん読める

ニュースやコラムにつながる読解力
→ 文体の特徴から、ニュースやコラムを読み解くのに必要な読解力を学ぶことができる。

歴史をユーモラスに学べる
→ 歴史の教科書では学べない、面白い視点の話が多い

お堅い本の箸休めとして
→ 多読に取り組んでいると、お堅い本に偏りがち。たまにはこんなゆるい本も良いのでは?

とある英語学習者

人類の進化は決して計画的でも、合理的でもないという主張は他の歴史家の本でも見られる主張ですね。

ヒラク

ユーモラスな語り口とは裏腹に、結構真に迫った内容だと感じます。

▶ 日本語訳『とてつもない失敗の世界史』(河出書房新社)はこちら

Prisoners of Geography

著者 ▶ ティム・マーシャル

肩書 ▶ ジャーナリスト / 作家

分量 ▶ 320ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 地政学 / 国際政治

難度 ▶ ★★★★☆

初版 ▶ 2015年

評価 ▶ ☆ 4.6 (amazon)

📌 内容・特徴

「地理がどのように世界の政治、経済、安全保障に影響を与えているか」を解説する地政学の入門書的存在。

日本を含む、世界の主要な地域を取り上げ、それぞれの地理的特徴がどのように歴史や戦略を形作ってきたか を、10の地図をもとに解説している。

地政学や国際関係論を扱っている書籍はどうしても難解になりがち。

こうした分野に興味のある多読初心者には、強くおすすめしたい。

📌 ここがおすすめ!

地政学・歴史の専門用語あり
→ 内容との関連上、一部専門用語も登場する。ただし、学術書ほどの難しさはない。

章ごとに独立した内容
→ 1章:ロシア、2章:中国、…といった感じで章とテーマがリンクしているため、読み進めやすい。

ストーリー性がある
→ 歴史・政治の話が豊富で、単なるデータの羅列ではなく読みやすい

地図とセットで理解しやすい
→ 掲載されている地図が理解を助けてくれる。ビジュアルと文章の両方で学べるのが特徴。

地政学・国際政治の入門書として最適
→ 地政学・国際政治の本としてはわかりやすい部類。基本を学びつつ、多読としても活用できる。

とある英語学習者

日本については、島国という地政学的状況のメリット・デメリット、朝鮮半島との関係性が語られていますね。

ヒラク

ボーダーレスの時代だからこそ、地理的条件や制約を学ぶことが重要なのかもしれません。

Mindset

著者 ▶ キャロル・ドウェック

肩書 ▶ 心理学者

分量 ▶ 320ページ(ペーパーバック)

分類 ▶ 自己啓発

難度 ▶ ★★★★☆

初版 ▶ 2006年

評価 ▶ ☆ 4.4(amazon)

📌 内容・特徴

「成功する人とそうでない人の違いは、才能ではなく『マインドセット』にある」という考え方を提唱する。

著者は、スタンフォード大学の心理学者であり、人の成長や成功に影響を与える「思考のクセ」について長年研究してきた。

本書では、人のマインドセット(考え方の枠組み)を 「固定マインドセット(Fixed Mindset)」 「成長マインドセット(Growth Mindset)」 の2つに分類。

それぞれの違いを具体例を挙げて述べたうえで、どのように成長マインドセットを身につけるのかを解説している。

📌 ここがおすすめ!

シンプルな英語で、繰り返しの説明が多い
→ 難しい専門用語は少なく、重要な概念が繰り返し説明されるため、英語初心者でも理解しやすい。

具体例が豊富でイメージしやすい
→ 研究結果だけでなく、有名人のエピソードや実際の事例が多く、読みやすい。

短い章立てで、少しずつ読める
→ 各章ごとにテーマが分かれているため、一気に読まなくても理解しやすい。

英語学習にも役立つ内容
→ 「失敗を恐れないことが大事」というメッセージは、英語学習者にも非常に役立つ。

マインドセットが周りに与える影響を学べる
→ 個人のマインドセットが他者に与える影響がわかる。特に親・上司として学べる点が多い。

ヒラク

失敗を恐れている人、人の目を気にしがちな人には特におすすめの本です。

とある英語学習者

結果ではなく、成長にフォーカスすること。一流の人って、プロセスを重視してますよね。

▶ 日本語訳『マインドセット:「やればできる!」の研究』(草思社)はこちら

番外編:amazon kindle unlimited

料金 ▶ 980円(月額)

タイトル ▶ 約500万冊

無料体験 ▶ 初回 30 日間

端末 ▶ スマホ・ PC ・タブレット・kindle 専用端末 など

特徴① ▶ サブスクの中でも突出したタイトル数

特徴② ▶ プライム会員でなくても利用可

特徴③ ▶ 洋書も豊富なラインナップ

📌 kindle unlimited おすすめ:Sapiens

ホモ・サピエンス(現生人類)がどのようにして地球を支配する種となったのか を探る歴史書。

人類史の中で虚構が果たした役割農業革命がもたらしたもの など、深い洞察や逆転的な発想に満ちている。

英文自体は決して難しくはないが、500ページ程度の分量がある。

そうそう簡単に読める本ではないけれど、多くの学びを得られるので、初心者の方であってもチャレンジする価値アリ。

上で紹介した「The Sense of Wonder」にしろ、この「Sapiens」にしろ、これだけのクオリティの本がサブスクで読めるなんて…。

ほかにも kindle unlimited では200万冊以上の洋書が読めるので、登録がまだの方はこの機会にぜひ。

ヒラク

正直、ユヴァル・ノア・ハラリの本を読むたびに、「この人の知性にはかなわないな」って軽くへこみますね…。

とある英語学習者

当たり前じゃん。何言ってんのこの人…。

👉 多読初心者の方におすすめの小説・フィクションはこちら!

多読だけじゃない!ノンフィクションの可能性を引き出す音読学習

ノンフィクションを英語学習に活用する方法としておすすめなのが「音読」です。

ボクの学習経験上、音読に最適な文体は「書き言葉」です。

ボクが音読において大切にしているのは、「構文を意識しながら読む」ということ。

構文を意識することで、英語理解の構造・枠組みを脳内にインストールする ことができます。

一般的に「話し言葉」に比べ、「書き言葉」は構文がしっかりした英文が多く、「構文を意識しながら読む」という学習目的に最適です。

「同時通訳の神様」と言われ、音読の有用性を訴えた 國弘正雄 さんは、著書の中で最適な音読教材について、次のように述べています。

短い会話文だけのものはおすすめ出来ません。やはり、単語の点でも、文の構造の点でも、基礎的なものが一通り出てくるような教材が望ましいのです。

長いものは繰り返すことが出来ません。繰り返さなくては成果は上がりません。

引用元:國弘流英語の話しかた

「会話文だけのものはダメ」「文の構造の点で基礎的なものが一通り出てくる教材」となると、ノンフィクションが浮かび上がってきます。

分量としては、「長すぎてはダメだ」と書かれています。

ボクは英語参考書の長文1~2ページが最適だと考えていますが、洋書は字が小さいので、片側1ページ程度 ということになるでしょうか。

文字数で言えば 300 ~ 500 語程度 が最適なのではないかと考えています。

自分のお気に入りの本の印象的な部分を抜き取って、じっくり声に出して読むことで、ノンフィクションの可能性をより引き出せるのではないかと思います。

ヒラク

國弘さんの言葉にあるように、大切なのは繰り返すこと。

アシスタント

繰り返すことで、英語理解の枠組みが徐々に脳内にインストールされ、英語脳の養成につながります!

まとめ:多読=負荷をかける作業

いかがだったでしょうか。

多読初心者の方におすすめのノンフィクションを 15 冊紹介しました。

冒頭で話したように、今回最も重視したのは【 面白さ 】です。

「多読」「初心者」「おすすめ」でググると、いろいろなサイトがおすすめの洋書をまとめていますが、その多くは【 難易度 】を重視しています。

幼児向けのものなど、とにかく簡単な本だけをピックアップしているサイトを、あなたも1度は訪れたことがあるでしょう。

ですが、ボクは「多読初心者であっても難しい英文に触れる必要がある」という考えです。

野球少年は、はじめは 100 km のボールを打ち返す、という基礎を身につけなければなりませんが、それができるようになったら、徐々にスピードを上げていきます。

110 km が打てるようになったら 120 km 、そして 130 km と徐々に負荷を高めていくものです。

最初は手も足も出ないかもしれませんが、負荷の高い状態に身を置いていることで、徐々にそのスピードに対する感覚をつかみ、対応できるようになってきます。

英語学習において「多読」の効果を最大化するには、この負荷を高めていく段階で活用するのがベストです。

あなたが今持っている英語力を【0→1】にするときではなく、【1→2→3→…】というようにアップデートする段階で、多読に取り組むのが最適なのです。

簡単な本だけを羅列しているサイトでは、【0→1段階】での多読を推奨しているわけですが、ボクはそれでは多読の可能性を十分に引き出せないと考えています。

単語学習や精読学習で身につけた【1】を【2・3】へと伸ばしていってくれるのが「多読」だと思います。

日本の教育では理解できなければダメ・正解にたどり着けなければダメとされますが、多読ではそんな考えは捨てましょう。

野球少年がはじめは110 km のボールの前でただ立ち尽くすだけでいるように、あなたもボクも洋書を読んで「読めない」「理解できない」という経験を積む必要があるのです。

110 km のスピードに呆然と立ち尽くすという経験がなければ、140 km のボールを打てる日はやってこないわけですから。

今回紹介した本を含め、多読に取り組む際には、「自分の英語力より少し上のレベルにチャレンジする」という視点を持つことをおすすめします。

今回の記事が、あなたの英語学習において役立つものであったなら、とてもうれしく思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

👉 多読初心者の方におすすめの小説・フィクションはこちら!

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