【早稲田合格】ボクが『今井の英文法教室』をおすすめするワケ&深掘りレビュー

今回は、東進ハイスクール・英語講師の今井宏先生による参考書「今井の英文法教室」をレビューしたいと思います。

個人的な感想から言うと、この参考書は「全参考書の中でナンバーワン」だと思います。

英語のみならず、すべての教科の中で、そして参考書の長い歴史の中で「ナンバーワン」だと確信しています。

わかりやすい解説、楽しみながら学べる事、記憶に残りやすいことなどなど、よい点をあげればキリがありません。

より深い情報をお伝えするために、受験生時代ぶりに、実際に書店で購入し、通読してみました。

英文法の参考書選びの参考にしてもらえればと思います。

アシスタント

この記事は、次のような方におすすめです。

  • これから英文法の参考書を買うので、アドバイスが欲しい。
  • とにかくわかりやすい英文法の参考書を知りたい。
  • 楽しんで学習できる英文法の参考書を教えてほしい。
  • 記憶に残りやすい解説をしている英文法の参考書を知りたい。
  • 1冊で共通テストから難関大学まで対応できる英文法の参考書を探している。

この記事を書いた人

ヒラク

TOMOSU BLOG 運営者・執筆者

地方の公立高校から1年の予備校生活を経て、早稲田大学政治経済学部政治学科合格。

目次

「今井の英文法教室」の概要・特色

概要

初版発売日2009年9月17日
出版社ナガセ / 東進ブックス
構成上・下2巻
ページ数上:264ページ 下:288ページ

目次

第1章(第1講~10講)動詞 / 助動詞
第2章(第11講~24講)準動詞
第3章(第25講~30講)仮定法
第4章(第31講~38講)関係詞
第5章(第39講~50講)形容詞 / 副詞 / 比較
第6章(第51講~57講)名詞 / 代名詞 / 冠詞
第7章(第58講~62講)前置詞
第8章(第63講~67講)疑問詞 / 接続詞
第9章(第68講~72講)受動態 / 否定 / 倒置
上巻(1~4章)・下巻(5~9章)

特色

  • 学習者の学びやすさのために、各講は6~7ページで統一されている。
  • 基本文・基本文解説が見開き2ページ、例題・例題解説が4~5ページで統一されている。
  • 解説ページに、予備校での「板書」を再現したイラストが多数掲載されていて、直感的に理解できる。
  • 巻末に詳細な索引がついているので、不明な点を調べたいときに重宝する。
  • 生徒目線に立って、「親切」「丁寧」な解説を徹底している。
ヒラク

各講の分量が一定で、毎日の学習プランを立てやすいのがうれしいポイント!

とある受験生

平日は1講だけ、土日は3講って感じでアレンジしやすいですね!

「今井の英文法教室」のレベル

「今井の英文法教室」の対象・レベルは下の図のようになっています。

「今井の英文法教室」の対象・レベルを示すグラフ

あくまでも個人的な認識ですが、ボク自身が受験生時代、英文法の参考書についてはこの「今井の英文法教室」だけしか使用していなかったので、ある程度の難関大学まで対応可能だと思います。

本書もそうですが、今井先生の教え方の特徴として、「学習対象をコンパクトにまとめてくれること」「再現性が高いこと」という点があげられます。

受験生が理解すべき知識の本質部分を抜き出し、わかりやすい形で提示してくれるのが先生の教えの最大の特徴です。

ムダな専門用語や本質とはかけ離れた枝葉末節は排除し、入試で必要となるエッセンスだけを教えてくれ、そのエッセンスをいかなる問題にも対応できるように発展させていくことが可能です。

本書もそのような構成となっています。

シンプルで、ムダが無く、一見すると初心者向け、あるいは共通テストまでのレベルにしか対応していないと勘違いする人もいるかもしれません。

ですが、本書に詰め込まれているエッセンスを徹底して身につけることができたなら、早稲田だろうと、慶応だろうと十分対応可能です。

個人的に東大は受験した経験はありませんが、「東大レベルにだって使えるのでは?」と思っています。

受験生の志望大学にかかわらず、再現性が高い内容だと確信しています。

ヒラク

再現性が高いってのが、良い参考書の条件です。

とある受験生

本書はその条件を高いレベルで満たしていますね!

「今井の英文法教室」が勧める英文法から始める英語学習法

今井先生は本書の使い方及び英文法の勉強法について、以下の2点を強調しています。

単語・熟語よりもまずは英文法

筆者である今井先生は、長い予備校講師生活において一貫して「英語はまず、英文法から」と主張してきました。

それは「英文法ほど楽しくて、英語を好きになりやすい分野は他にない」からなのだそう。

確かに、いきなり単語帳の暗記から入るとつまらなくて英語自体が嫌いになってしまいますし、長文読解から入ると読めなくて英語に苦手意識を抱いてしまいますよね。

また、今井先生いわく「英文法は、英語学習のすべての土台」とのこと。

楽しいうえに、すべての基礎となる部分であればなおさら英文法から学習を始めたほうがよさそうですね。

とある受験生

今井先生の解説は楽しいから、英文法から始めるのもアリですね!

ヒラク

アリです!本書を見てると、英文法の楽しさがよみがえってきます!

「英語まみれ」になる

今井先生が英文法の学習から始めることをおすすめするもう一つの理由が、「英文法は、受験生の精神年齢にピッタリの学習おもちゃである」ということです。

この「学習おもちゃ」を使って、毎日楽しく英語まみれになって遊ぶ。そうして、英文法しかやっていないのにいつのまにか、単語や長文読解も強化されている。

これが理想だそうです。

つまり、「英文法はすべての土台」ということと繋がっていて、英文法で英語まみれになって遊ぶうちに、英語のルールを覚え、それに従って英語の運用能力も高まり、会話やコミュニケーション能力も上がっていく。

そのような「骨太な」英語運用能力のベースとなるのが英文法学習なのです。

ヒラク

結局、英語って言葉だから。その言葉のルール(文法)から入るのが手っ取り早いし、王道だよな。

とある受験生

ふむふむ、たまにはいいこと言うじゃん。

「今井の英文法教室」の使い方

各コーナーの学習の進め方

1項が「基本文」「基本文解説」「例題」「例題解説」の4コーナーに分かれています。

基本文

基本文のコーナーに、その講で学習するテーマに沿った英文が列挙されています。

すべて、「次の英文を日本語に訳せ」という問題形式をとっているので、この時点ではできる限り辞書を引かずに訳してみましょう。

基本文解説

次の基本文解説のコーナーでその講の学習テーマにおいて必須の基礎事項を学ぶスタイルになっています。

黒板の板書に似せたイラストもあり、学習者は実際の授業を受けているような感覚で学習を進めることができます。

例題

旧センター試験や有名大学入試で過去に出題された問題が上下巻合わせて約1,000題掲載されています。1講につき10~15問程度あります。

1,000題というと、かなり多い印象を持つかもしれませんが、解説がコンパクトにまとめられているので、サクサク進めることができます。

学習の際は、できるだけ辞書を引かずに自力で解答することと、あまり丁寧にやりすぎると長続きしないので気軽に解くことをおすすめしています。

例題解説

例題に対する解説がコンパクトにまとめられています。

例題解説では、あくまでも「親切」「丁寧」を心がけていて、文法用語を並べておしまいといったような部分はありません。

とにかくわかりやすい解説に加え、思わず笑ってしまうような面白い表現もあり、学習者は飽きることなく学ぶことができるはずです。

ESSENTIALS

本文中において、解説の補足・熟語表現の整理など、一括で学習した方が良い知識事項については、ESSENTIALSのコーナーにまとめられています。

各テーマに関連した項目を、整理して記憶することができます。

ヒラク

先生の解説が笑えるんだよなぁ。勉強してるってこと忘れちゃう。

とある受験生

堅苦しい解説がないから、楽しく英文法に向き合えますね!

全体の学習の進め方

この参考書は、短期間で一気に通読して、学習するスタイルを想定して作成されています。

筆者の今井先生はまず、1日2講の「36日完成コース」か1日1講の「72日完成コース」のどちらかを選択するように求めています。

36日完成コース」については、どんどん進んだ方が勉強は楽しいし、1か月ちょっとで英文法がグンと伸びるので自信がつきやすいとしています。

72日完成コース」については、まだ入試までたっぷり時間がある生徒を念頭にしていて、2か月ちょっとで英文法の完成を目指す学習者向けです。

この参考書は、「1回読めばすべてわかる」ように書かれていますが、「わかってからもう1度読み直す」ことはとても学習効果が高いので、くりかえし読むことを勧めています。

2度目、3度目には音読を取り入れるのもよい学習法だそうです。

ヒラク

ボクは受験生時代、2週間に1周ぐらいのペースでガンガンまわしてました。

とある受験生

自分の学習プランにあわせて、可能なら高い回転率でまわしていきましょう!

辞書の使用について

この参考書では、辞書の使用はできるだけ控えることをおすすめしています。

英文法学習では、辞書を過度に使用すると、大学受験に必要のない知識まで気になってしまうので、まずはこの参考書に掲載されている知識を固めることが大事だということです。

ヒラク

何周もまわしてたら、単語も自然と覚えちゃいますよ!

とある受験生

英文法中心でまわしてたら、単語や長文読解も強化できるってホントなんですね!

「今井の英文法教室」で学習した感想

ボクが本書で学習した感想をまとめると、以下の4つがあげられます。

とにかくわかりやすい・疑問が残らない

まず、はじめに感じたのは、「圧倒的なわかりやすさ」です。

これほどまでに分かりやすく、学習後に疑問の残らない参考書は他にはないでしょう。

特に解説ページの板書風のイラストが、頭の中でのイメージを助けてくれています。また、頭の中でイメージすることが必要な個所にだけ掲載されているのも良いと思いました。

さらに、例文が具体的であることも良いなと思いました。

参考書によっては、堅苦しい例文がズラーっと並んでいるものも多くありますが、この参考書では、例文を読んだだけで生き生きとした映像が浮かんでくるような例文ばかりです。

第30講の「ifのない仮定法」の例題解説では、思わず膝を打ちたくなるような、わかりやすい解説がされています。

ヒラク

なぜこんなにわかるんだ…。なぜなんだ…。

アシスタント

ホントにわかりすぎて、言葉でうまく表現できないようです。申し訳ありません。

レイアウトが見やすい

次に感じたのが、「レイアウトの見やすさ」です。

構成が1講につき6~7ページで統一されているのと同様に、デザインにも統一性があって、スイスイと学習を進めることができます。

参考書におけるレイアウトの重要さは、あまり認識されていないかもしれませんが、世間で評価の高い参考書というのは、必ずと言っていいほど、内容だけでなくデザインも優れています。

この参考書も派手さはありませんが、「統一性」が徹底されているなと感じました。

ヒラク

レイアウトの統一感・カラー(色彩)の程よさといったあたりはホントに大切です。

とある受験生

毎日使うものですから、本書のように「目に優しい」参考書がいいですよね!

現場での経験が反映されている

さらにこの参考書には、長年、筆者の今井先生が予備校界で多くの生徒と向き合ってきた「現場での経験」が詰まっています。

生徒はこのような間違いを犯しやすいというポイントをことごとく押さえていて、そのような生徒向けにどのように解説すれば良いかも把握しています。

また、上下巻を通じて「大学入試でどのように問われるか」という視点が貫かれていて、大学入試に必要なエッセンスが掲載されている=ムダなものは一切ないということが言えると思います。

ヒラク

単純に「英語力がすごい」だけの講師はいくらでもいますが、これだけの経験のある人はそうそういませんからね。

とある受験生

受験生の思考を先読みしてて、「疑問が残らない」というよりは「疑問が生じない」ですね。

学習者が飽きないために細かい工夫がちりばめられている

デザインに加え、「学習者が楽しく最後まで続けることができるような工夫」が随所にちりばめられています。

今井先生が語りかけてくるような解説ユーモアを交えた説明が印象的ですが、それだけではありません。

解説ではほぼすべての選択肢について「なぜこれが正解なのか」「なぜこれが不正解なのか」をコンパクトにまとめて説明してくれています。

不正解の選択肢についてなぜ不正解なのかを逐一説明してくれているので、疑問が残る余地がありません。

正解の選択肢については解説があるけど、不正解の選択肢については触れていない参考書ってありますよね。

あなたも「なぜこの選択肢じゃダメなのかな」というモヤモヤを経験したことがあるはずです。

本書はそのようなことがなく、途中で挫折どころか「もっと学びたい」「先に進みたい」と思える内容となっています。

ヒラク

何周もまわしてたら、本書に中にちりばめられた工夫が徐々に見えてきますよ!

とある受験生

色んな工夫を発見していくっていう楽しみもありますね!

「今井の英文法教室」amazonのクチコミ

クチコミを表す5つ星

ここでは、amazonのカスタマーレビューからポジティブな意見とネガティブな意見を両方紹介します。

客観性を保つために、「今井の英文法教室」をしっかりと学習した経験をもとにレビューをしていると思われるクチコミのみを掲載しています。

英文法は暗記でなく、理由、論理がある。本当に36日だけで精読、通読できました。

大変良い本です。解説は神のレベル。

英文法嫌いだったけれど、この本のおかげでよく分かった。

英語初心者でもわかりやすい、しかし簡潔な解説がなされていて、しかも、ビジュアル的にも良い出来です。

とにかく解説がすばらしいです。ここまで納得のいく説明をしてくれる参考書って意外にないような気がします。

以前代ゼミから出版されたいわゆる旧版「今井の英文法入門」より若干劣る。

大学受験用であり、出にくい部分は割とあっさり切られているので、網羅している感じがやや足りない。

まとめ:「難しい」を「シンプルに」

いかがだったでしょうか。

受験生時代ぶりに、「今井の英文法教室」を開いてみました。

まず思ったことは、「大学受験の時点でこんなに難しいことを学習していたんだな」ということです。

あらためて、「英文法の難しさ」というものを感じました。

その一方で、やはり今井先生の「教える能力の高さ」には舌を巻く思いでした。

受験勉強における英語の重要性は、文系であれ理系であれ、また国公立であれ私立であれ、変わらず高いと思います。

その英語の土台となりうる英文法をいかに固めるかは、受験自体の成否に関わってくると言ってもよいでしょう。

個人的に、英語の講師の実力は「英文法を教えるのがうまいかどうか」でわかると思っています。

英文法とは、そもそも難しいものです。「英文法=英文の法則」ですから、受験生が学ぶには難しいものなのです。

ですから、多くのの講師は「難しいものを難しく」教えます。

しかし、一流の講師は「難しいものを簡単に(シンプルに)」教えてくれます。

「今井の英文法教室」は「難しい英文法を簡単に、かつ楽しく」教えてくれている参考書です。

この参考書と出会ったおかげで志望校合格を果たすことができた経験者のひとりとして、これから英文法の学習に取り組むあなたに、自信をもっておすすめします。

今回の記事があなたにとって、少しでも役に立つものであったならうれしいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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